介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

ヘルパーがお金を盗ったと疑われた事例

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 わからない

認知症の状況 わからない

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

ヘルパーがお金を盗ったと疑われた

説明しても信じてもらえず、サービスの費用も未払い。警察を呼ぶも解決せず、サービスを撤退

サービスに入るまでに、徹底した信頼関係作りと生活のルールを一緒に作っていく基盤が重要

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トラブルが起きた背景

Tさんは認知症で物盗られ妄想がありました。

ご家族はおられず一人暮らし。

サービスに入る前から「家の物は許可なく、または見ていない時に触るのは厳禁」であることをケアマネから聞いていました。

玄関に上がる時から、ご本人が見ておられない時は動かないように注意していました。

ただサービスはお買い物と調理の生活サービスだったので、お金のやり取りがあります。

お部屋も片付けられておらず物に溢れており、いつも何かがなくなったと探しておられました。

記憶もあいまいになっておられました。

ある日、いつものように5000円を預かり、買い物をしてレシートを見せながらお釣りを返却し、帰る際にサービスの請求書をお渡しして帰りました。

当日事業所に電話があり、お釣りを返してもらってないとのこと。

サービス担当責任者(サ責)が私に事実確認をした後、一人でご自宅へすぐ訪問しお釣りはお返しした旨を伝えました。

しかし、レシートはどこに行ったか分からず「お釣りをもらうまで、請求書のお金は払わない!警察に電話する!」と聞きません

事務所社長にも連絡し、認知症だからしばらく様子をみましょうと一旦なりました。

次からのサービスは「泥棒は家にあげない」と門前払い

支払いもされず、サービスにも入れなくなりました。

対応者の中での対応

担当ケアマネにも連絡しアプローチしてもらいましたが、他の事業所の紹介も拒否されるため何とか和解してほしいとのことでした。

認知症で買い物と食事、水分管理が出来ないため早めの解決が必要です。

サービスの代金が未納であるのも問題です。

一週間ほどし、サ責と社長二人でお宅に訪問。

お金を盗っていないこと、サービスが必要であること、代金の支払いがまだなことを静かに話し合いをしました。

しかし、「警察を呼ぶ!」と話にならないため警察を呼びました。

Tさんはお金を盗られたと訴え、こちらは代金も払ってもらえてないと説明しました。

警察の方は本当は個人的な意見を言うべきではないが、おばあちゃんの勘違いじゃないかと口添えしてくださいましたが「お前らは警察ともグルか?」と怒りだし全く解決には至りませんでした。

警察には帰っていただきました。

その後はお代金もあきらめサービスも撤退しました。

いつも5000円預かると言う決めごと、勝手に物に触らないなどの事前情報があったため、しばらくは問題なくサービスに入れていました。

サービスの時は会話もにこやかにしてくださって、急に泥棒扱いされたのには驚きました。

当時Tさんが不安になるような特別な言動もしていないので、起きることは必然だったのかもしれません。

もし電話があった時私が笑顔で一人で説明にいっていたらどうなったのか、一度当事者である私が一人で行くべきだったのではという思いだけがあります。

レシートを預って証拠としてお見せしても、いやもらっていないと言い張られたらどうにもならないので、レシートを写真に撮ったりしてもことの解決にはならなかったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

ご家族がおられず認知症で、金銭や食事の管理などが難しくなっておられる方への在宅サービスは、サービスに入るまでの下準備と情報それと信頼関係が必要です。

下準備とは「後見人制度の使用、部屋の片付けをして、物の位置を決めておくことや細かなルール設定」をしておくことです。

また認知症の状態に合わせて、宅配弁当からスタートしても良かったのではないかと思います。

そのような徹底した信頼関係作りと生活のルールを一緒に作っていく基盤が足りず、不安な精神状態になられたのではないか?と感じます。

また、請求書をご本人に渡すということも避けるべきだったのではないかと今になって思います。

どんなに気心の知れたお友達でも、あるいはお嫁さんやご家族でも悪人に思われたりすることはよくあります。

起こってしまってからでは警察が介入しても問題の解決にはなりません。

問題が起こりそうな原因をいかに事前に対策するか、信頼関係を築けるかが重要だと思います。

もし生活に必要なサービスに入れないくらい不安や妄想があるのであれば、お医者さんに正しいお薬を処方してもらうことも重要だと思います。

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