介護施設の事例
施設名: 通所介護(デイサービス)
利用者が女性職員や他利用者にセクハラ行為した事例
対応者
対応者 生活相談員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅱb
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が女性職員や他利用者にセクハラ行為した。
私の対応としては、どうやってKさんがなるべく不快にならずセクハラ行為をやめさせるかを検討しました。デイサービス利用前から、セクハラ行為がありそうだということは一同認識していましたので、女性利用者に対するセクハラ行為をやめてもらう必要があります。本人と話し合いをしても認知症によるものか性格なのか、「分かった、やめるよ」と言っても次の瞬間にキスをする仕草をしたりするので、あまり効果がありません。そこでスタッフ一同考えた方法が「セクハラ行為をしたら男性スタッフが抱きつく」という発想でした。Kさんが女性スタッフや女性利用者にセクハラ行為を働いたら、男性スタッフが「僕じゃダメですか」などと言ってKさんの近くに行く、あるいは抱きつく仕草を見せるというわけです。逆セクハラというと違いますがとにかくやってみました。「おお!やめてくれ!」と嫌がるKさん。効果は抜群でした。セクハラしようとするKさん、すると側に忍び寄る男性スタッフ(私)というシーンを繰り返すうちに、いつしかKさんのセクハラは落ち着きました。 良かった点として、Kさんと対立しないで済んだ点でしょうか。Kさんも笑っていましたし、周りの女性利用者、スタッフも笑っていましたから。ただし、うちの会社の自由な社風があったからこそできたことでしょう。社長も「これでいいのかなあ」と言いながら笑っていました。他の施設ではできない方法かもしれません。そういう意味では参考にならないかもしれません。とはいえ、介護の仕事の面白さはこういうところにもあると思います。悪い点は、再現性がないことです。今回の対応はKさんだからできた対応でした。他の男性利用者に対して同じことをしたら、却って怒らせてしまったかもしれません。相手によって適した対応を取るよう心掛ける必要があります。
利用者との信頼関係を構築することが大切です。同じようなことが起こっても、まずは利用者や家族と対立するのではなく、話し合いや日常のコミュニケーションを通じて信頼関係を結ぶのが、解決の早道となると思います。家族や医者と面談したりケアマネージャーに事態の解決を図ったりといった方法も有効ですが、その前に信頼関係を結ぶような試みが先ではないでしょうか。
トラブルが起きた背景
Kさんはデイサービスの利用が初めての男性です。初めてのデイサービスを利用するということで、奥さんが「自宅と似たような家庭的なデイサービスがいいんじゃないかしら」ということで、民家型デイサービスである私が勤めるデイサービスを利用されました。 認知症と本来の性格によるものと思われますが、女性スタッフや女性利用者に対して「お前、いい尻してるなあ!」「おっぱいでかいな!」といったセクハラ発言がありました。また、実際に触ろうとする仕草を見せるなどセクハラ行為も見受けられました。 女性利用者の中には「あなた、そんなこと言っちゃダメよ」と上手にかわす人生の達人とも呼べる方がいらっしゃいましたが、「何あの人、嫌だねえ」と嫌悪感を露わにする方も当然いらっしゃいました。
対応者の中での対応
私の対応としては、どうやってKさんがなるべく不快にならずセクハラ行為をやめさせるかを検討しました。デイサービス利用前から、セクハラ行為がありそうだということは一同認識していましたので、女性利用者に対するセクハラ行為をやめてもらう必要があります。本人と話し合いをしても認知症によるものか性格なのか、「分かった、やめるよ」と言っても次の瞬間にキスをする仕草をしたりするので、あまり効果がありません。そこでスタッフ一同考えた方法が「セクハラ行為をしたら男性スタッフが抱きつく」という発想でした。Kさんが女性スタッフや女性利用者にセクハラ行為を働いたら、男性スタッフが「僕じゃダメですか」などと言ってKさんの近くに行く、あるいは抱きつく仕草を見せるというわけです。逆セクハラというと違いますがとにかくやってみました。「おお!やめてくれ!」と嫌がるKさん。効果は抜群でした。セクハラしようとするKさん、すると側に忍び寄る男性スタッフ(私)というシーンを繰り返すうちに、いつしかKさんのセクハラは落ち着きました。 良かった点として、Kさんと対立しないで済んだ点でしょうか。Kさんも笑っていましたし、周りの女性利用者、スタッフも笑っていましたから。ただし、うちの会社の自由な社風があったからこそできたことでしょう。社長も「これでいいのかなあ」と言いながら笑っていました。他の施設ではできない方法かもしれません。そういう意味では参考にならないかもしれません。とはいえ、介護の仕事の面白さはこういうところにもあると思います。悪い点は、再現性がないことです。今回の対応はKさんだからできた対応でした。他の男性利用者に対して同じことをしたら、却って怒らせてしまったかもしれません。相手によって適した対応を取るよう心掛ける必要があります。
今後同じ事例が起きた時の対処法
利用者との信頼関係を構築することが大切です。同じようなことが起こっても、まずは利用者や家族と対立するのではなく、話し合いや日常のコミュニケーションを通じて信頼関係を結ぶのが、解決の早道となると思います。家族や医者と面談したりケアマネージャーに事態の解決を図ったりといった方法も有効ですが、その前に信頼関係を結ぶような試みが先ではないでしょうか。
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