介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

利用者が妄想に対する不安から警察に電話するよう求めた事例

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱb

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

利用者が妄想に対する不安から警察へ電話するよう求めた。

サービス内容は服薬介助のほかに昼食作りと片付け、夕食の準備、掃除などかなり忙しい訪問でしたが、Kさんと向き合いお話を伺うことにしました。Kさんは窓の外を見て「あいつらがあそこからこっちを見ている」とか「毎日のように家の周りをうろついていて怖い、頼むから警察に電話してくれ」と訴えられました。私は、ヘルパーは警察に電話することはできないことになっていることや、近所に住む娘様に連絡した方が良い旨お伝えしました。しばらくKさんのお話をお聞きしているうちに少し落ち着かれたので、残りのサービスを済ませた上辞去しました。その後、事務所に戻るとサービス提供責任者から、Kさんから電話があり、私が警察に電話してくれなかったとの苦情がきていたとのことでした。 1時間の訪問なのでかなり忙しく、Kさんに向き合ってお話をお聞きしたものの聞き方に問題があったのかもしれません。娘様に連絡するようお願いしたのですが、Kさんはご自分で電話するのが困難だったのかもしれません。サービス提供責任者にすぐに状況を伝えた方が良かったのかもしれません。

何かトラブルが生じた際は、すぐにサービス提供責任者に連絡した方が良いと思います。特にサービス内容が多く時間に余裕がないと、間違った判断をしてしまうかもしれません。介護保険内ではできないことに手を出してしまい、状況を一層悪くしてしまうことも考えられます。ご利用者が不安な気持ちになっておられる場合、時間が許すなら相づちを打ちながら真剣にお話を伺うことによって、落ち着いていただけることも多くあります。また、サービス提供責任者に電話を替わってもらうことによって場面転換をし、落ち着いていただけるかもしれません。

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トラブルが起きた背景

Kさんは地元の名士の家で成長され、本家から土地を贈与されていました。ご自宅や家作を持っておられます。軽度の認知症はあるものの、独居生活を送っておられました。奥様はご自宅から徒歩10分程の所にある介護老人施設に入所しておられます。Kさんの地元であるため、問題なくお見舞いにも通っておられました。しかし生活面では、服薬や食事に困難が生じたため、近所に住む娘様が心配されヘルパーの訪問を依頼されました。訪問開始後はいつもヘルパーの声掛けに快く応じられ、服薬などなさっておられました。しばらく経つと、徐々に妄想的な発言をされるようになりました。「家の中に子供が4、5人いる」とか「2階に知らない人が住み着いている」などの発言がありました。ある日の訪問の際、Kさんは困惑顔で「悪い不動産屋が俺の土地を狙っている、警察に電話してほしい」と繰り返し訴えられました。しかし実際にはそのような事実はなく、すべてKさんの妄想でした。

対応者の中での対応

サービス内容は服薬介助のほかに昼食作りと片付け、夕食の準備、掃除などかなり忙しい訪問でしたが、Kさんと向き合いお話を伺うことにしました。Kさんは窓の外を見て「あいつらがあそこからこっちを見ている」とか「毎日のように家の周りをうろついていて怖い、頼むから警察に電話してくれ」と訴えられました。私は、ヘルパーは警察に電話することはできないことになっていることや、近所に住む娘様に連絡した方が良い旨お伝えしました。しばらくKさんのお話をお聞きしているうちに少し落ち着かれたので、残りのサービスを済ませた上辞去しました。その後、事務所に戻るとサービス提供責任者から、Kさんから電話があり、私が警察に電話してくれなかったとの苦情がきていたとのことでした。
1時間の訪問なのでかなり忙しく、Kさんに向き合ってお話をお聞きしたものの聞き方に問題があったのかもしれません。娘様に連絡するようお願いしたのですが、Kさんはご自分で電話するのが困難だったのかもしれません。サービス提供責任者にすぐに状況を伝えた方が良かったのかもしれません。

今後同じ事例が起きた時の対処法

何かトラブルが生じた際は、すぐにサービス提供責任者に連絡した方が良いと思います。特にサービス内容が多く時間に余裕がないと、間違った判断をしてしまうかもしれません。介護保険内ではできないことに手を出してしまい、状況を一層悪くしてしまうことも考えられます。ご利用者が不安な気持ちになっておられる場合、時間が許すなら相づちを打ちながら真剣にお話を伺うことによって、落ち着いていただけることも多くあります。また、サービス提供責任者に電話を替わってもらうことによって場面転換をし、落ち着いていただけるかもしれません。

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