介護施設の事例

職員が利用者にセクハラ行為をした事例

事例データ

投稿者

対応者

対応者 介護職員

性別 女性

お相手

対応者

寝たきり度 A2

認知症の状況 わからない

性別 女性

お泊まりデイを利用されていた70代認知症の女性利用者Aさんは、肌艶も良く、澄んだささやくような声で話す様子が魅力なのか、男性利用者の興味を引くことが多くありました。

ある頃を境に40代男性職員(B職員とする)に不審な行動が見られるようになります。

もともとB職員はAさんを気に入っており、ややえこひいきともとれる言動が見られていました。

そのほかにも、入浴介助でB職員がAさんを担当するとなかなか浴室から出てこないこともありました。
(戸建ての一般家庭の浴室で、個浴で介助を行っており、人手不足のため同性介助がままならないことも多いです)

記録業務も、わざわざAさんの隣に座り椅子の陰でそっとAさんの腰に手を回したり、Aさんに足のむくみが出現するとマッサージを施す(他の利用者にはやらない)などの行動が見られました。

やがてAさんに、服の上から自身の股を軽くサッサっと撫でるといった今までにない行動が見られるようになりました。

ある時女性職員が、Aさんと2人になれる場所で「Aさんのここ(股を配慮しながら指差して)触ってくる人いた?」と尋ねると「いたー。」と返答があり、性別を尋ねると「男の人。」と小さな声で返答されました。

他の職員からも、B職員のAさんへの対応は過剰ではないかという意見が寄せられました。

管理者も、はっきりとした証拠がないために手をこまねいていました。

管理者が経営者に相談するも「相手は高齢者女性ですよ?考えられないですよね。」と取り付く島もありませんでした。

B職員をAさんの入浴介助から外す、B職員とAさんが接触しないように可能な限り配置を工夫する、といった対策を管理者が講じました。

しかし、関係性がよくなかった管理者に対しB職員が人目もはばからず、大声で恫喝する場面もありました。

ある日Aさんの特養入所が決まり、お泊まりデイを退所したため、今回の件は解決しました・・・

良かった点

まず、Aさんの変化に気づき、丁寧に声をかけて確認したことはとても良かったと思います。

利用者本人の声を聴く姿勢は大切ですし、隠れた問題を見つける第一歩となりました。

また、他の職員からの指摘があったことで管理者がB職員への注意や配置換えなどの対策に動いたのも良かったです。

人手不足や同性介助の難しさがある中で、できる限りの対応を取った点は職員のチームワークを感じ、利用者の安全を守ろうとした姿勢が伝わりました。

ただ、対応が後手に回った感は否めませんが、問題に気づいた時点で迅速に動けたのは良かったです。

改善点

B職員の過剰な接触が繰り返されていたのに、管理者や経営層が軽視し、対応が遅れたのは大きな問題だと感じます。

利用者の安全と尊厳を守るのが最優先で、どんなに証拠がなくても疑わしい行動には即座に厳しい対応を取るべきだと思います。

また、同性介助が難しい状況であっても、職員の配置や巡回体制の強化、監視カメラの導入検討など安全管理の仕組みをもっと強化する必要があります。

さらに、B職員のような問題行動に対しては、早期に専門機関や労務相談を利用し、再発防止のための教育・指導や場合によっては厳正な処分を行うことも考えなければいけません。

利用者の声を尊重し、職員間の連携を深めて信頼できる環境づくりが急務だと感じました。

先輩福祉士からのコメント

なぜこのようなことが起きるの?

Aさんに対するB職員のセクハラ行為は、職員の倫理観の欠如と管理体制の不備が重なった結果ですね。
同性介助の難しさや人手不足の環境も影響し、疑わしい行動が長期間見過ごされたことが大きな問題です。
利用者の尊厳が守られず、早期に適切な対応が取られなかったことはいけません。

分析とアドバイスは?

管理者や経営層が問題を軽視しては絶対にいけません。 疑わしい行動には即時に調査と対応を徹底し、利用者の安全を最優先に守る姿勢が欠かせません。 また、同性介助の体制強化や職員教育、監視体制の導入など環境面の整備も必須です。 問題行動の早期発見には職員間の密なコミュニケーションも重要ですよ。 再発防止のために厳正な処分と心理的サポートも検討しましょうね。