介護施設の事例
施設名: 有料老人ホーム
職員が利用者に対しセクハラ行為をした事例
対応者
対応者 看護師
対応者 女性
お相手
寝たきり度 B1
認知症の状況 Ⅱb
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
職員が利用者に対しセクハラ行為をした。
監視カメラを設置して状況を確認、セクハラの事実があったため、警察に通報した。利用者は他施設へ転院することになった。
暴力やセクハラが疑われる場合は速やかに上長へ相談し、事故の再発予防と被害者のメンタルケアを同時に行うことが重要。
トラブルが起きた背景
Hさんは脳血管障害により認知症とADLの低下が進行し、在宅での介護が難しくなった為ご入居となりました。
背景として経済的に潤っていて高齢で認知症があっても品の良さを感じる女性でした。
自分で自分のことが次第にできなくなっていきセルフケアに一部介助を要するようになっていきました。
ある日、ご家族からHさんの様子が最近急激に悲観的でうつ傾向にあり、心配なので居室にカメラを一時的に設置させて欲しいと申し出がありました。
施設長は、家族であっても個人情報保護に基づいた行為ではないので許可は難しいと言っていましたが、濁らせていた口調から「母はセクハラにあっているかもしれないから助けたい」と言われたのです。
犯罪の可能性が浮かび上がった為、職員には知らせずカメラの設置を許可しました。
結果30代介護職員が夜勤の日の巡視の際、押さえつけられ上着を脱がされ触られている状態が映っていたのです。
家族は1か月前から、異常な人に対する恐がり方や手足のあざに気付き不信感を持っていたそうです。
家族の希望でその画像を警察に提示し逮捕されました。
Hさんは精神的に不安定となりBPSDが悪化した為、家族の強い希望で他の施設へ転院となりました。
対応者の中での対応
Hさんが受けた被害は全く他のスタッフが気付くことが出来ず、その30代男性の不審な面を見抜くことが出来ませんでした。
Hさんには内出血斑が生じていたのですが、日頃から利用者の変化に気付けない観察力の弱さを反省しました。
その後、入浴介助の際に全身に変化がないか、忙しくても一人一人に一日一回は声掛けをし、反応から状況をアセスメントして評価する大切さを全体ミーティングで話し合いました。
今回のケースにより、介護職現場の労働力不足によるケアの質の低下の改善が求められていることを実感させられました。
改めて看護による関わりや観察から看護問題を抽出し、看護計画を立案して個々に合わせたケアを行えるようにもう一度看護の現場で勉強し直したいと考え病院への転職を決断しました。
やはり反省点はHさんの変化に気付くことが出来なかったことです。
SOSは身体や様子から出ていたはずなのですが、忙しさを理由にそのサインを見抜くことが出来なかったことに悔やまれます。
又、人間不信にも陥ってしまったのでマイナスな感情が強くなりました。
同じ過ちを繰り返さずそこから得たことを学びとして成長するというのが、ピンチはチャンスという良い方な考え方に変えることが出来ました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
全ての症例において、まずは出勤時は全ての利用者様や患者様とコミュニケーションをとることに始まります。
そこから得られた情報からアセスメントを行い、変化があるのかないのか評価し、リスクを感じる場合は対策を立てていくということだと思います。
暴力やセクシャルハラスメントが疑われる場合は速やかに施設長や師長へ相談し、事故の再発予防対策と被害者のメンタルケアを同時に行うことが重要だと思います。
安心して安全な療養環境が提供できるように努めることが使命だと考えています。
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