介護施設の事例
施設名: 訪問リハビリテーション
認知症の方がスタッフの窃盗を疑った事例
対応者
対応者 理学療法士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 A2
認知症の状況 Ⅲa
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
認知症の方がスタッフの窃盗を疑った。
認知症の周辺症状に「妄想」がある点は理解していたため、電話で説明してもなかなか理解していただけません。 そのため、上長に訪問時のご様子や患っている疾患について報告をしました。 後日、ご自宅に説明と謝罪で伺い別の療法士が担当を引き継ぐように対応しています。 併せて早急にインシデント報告書を作成し、部内だけでなく所属している法人内で共有できるように医療安全委員会に提出しました。 悪かった点は、ご本人や家族が納得するまで対応できなかった点にあると思いました。 訪問リハビリで伺っているため全ての時間を探し物に当てることはできませんが、自身の都合で切り上げてはいけなかったかなと反省しております。 今思い出すと認知症の周辺症状は妄想以外にも見られていたはずです。 「もしかしたら被害妄想も見られるかもしれないな」と自身でリスク管理できていれば起きずに済んだトラブルかもしれません。 良かった点は、上長や医療安全委員会へ早急に報告できたことです。 Bさんは理学療法士だけでなく往診医や看護師も関わっている方でした。 今回の事例を報告したことで法人内で対応策が統一でき、同じトラブルを引き起こさないよう対応できています。 スピード感を持って報告できたことは、全体の不利益を回避する良い対応だったと思います。
まずは契約時に本人のおおよその認知機能や性格を把握し、介入当初から対応を検討できれば良いと思います。 介入を続けていき関係性ができ上がってきたタイミングで「長谷川式簡易知能評価スケール」や「MMSE」で認知機能を評価すると定量的に認知機能を把握できます。(日付や場所の見当識、短期記憶の能力など) さらに介入中の言動や日常生活の様子などを細かく記録していくと、認知機能検査では評価しづらい周辺症状や精神状態の評価ができるはずです。 誤認を防ぐためにもこちらの提示の仕方も重要だと思います。 もし探し物を一緒に探した場合、無くしているものや一緒に探した日付、場所などを記録に記載し説明を求められた際に提示できると誤認が防げるはずです。 また自身の身を守れる証拠にもなりますので、ルーティン作業のみ記録に残すのではなく細かく記録を記載するよう癖付けておくと良いでしょう。
トラブルが起きた背景
Bさんは膠原病と認知症を患っている70代の女性です。
ある日、いつものように訪問リハビリでご自宅に訪問したところ「大切にしていた時計がないんだけど」と相談されました。
そこで一緒に時計を探しましたが、ご自宅は物であふれておりなかなか時計は見つかりません。
とはいえ自身は訪問リハビリでご自宅に伺っているため「そろそろリハビリを始めましょうか」と言い時計を探す作業を切り上げたんです。
その後訪問を終えて事務所に帰ったところ、先ほど訪問した方から電話が入っていました。
内容が「あなたが時計を盗ったんでしょ?早く返してちょうだい」というものでした。思わずため息を吐きそうになりました。
対応者の中での対応
認知症の周辺症状に「妄想」がある点は理解していたため、電話で説明してもなかなか理解していただけません。
そのため、上長に訪問時のご様子や患っている疾患について報告をしました。
後日、ご自宅に説明と謝罪で伺い別の療法士が担当を引き継ぐように対応しています。
併せて早急にインシデント報告書を作成し、部内だけでなく所属している法人内で共有できるように医療安全委員会に提出しました。
悪かった点は、ご本人や家族が納得するまで対応できなかった点にあると思いました。
訪問リハビリで伺っているため全ての時間を探し物に当てることはできませんが、自身の都合で切り上げてはいけなかったかなと反省しております。
今思い出すと認知症の周辺症状は妄想以外にも見られていたはずです。
「もしかしたら被害妄想も見られるかもしれないな」と自身でリスク管理できていれば起きずに済んだトラブルかもしれません。
良かった点は、上長や医療安全委員会へ早急に報告できたことです。
Bさんは理学療法士だけでなく往診医や看護師も関わっている方でした。
今回の事例を報告したことで法人内で対応策が統一でき、同じトラブルを引き起こさないよう対応できています。
スピード感を持って報告できたことは、全体の不利益を回避する良い対応だったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
まずは契約時に本人のおおよその認知機能や性格を把握し、介入当初から対応を検討できれば良いと思います。
介入を続けていき関係性ができ上がってきたタイミングで「長谷川式簡易知能評価スケール」や「MMSE」で認知機能を評価すると定量的に認知機能を把握できます。(日付や場所の見当識、短期記憶の能力など)
さらに介入中の言動や日常生活の様子などを細かく記録していくと、認知機能検査では評価しづらい周辺症状や精神状態の評価ができるはずです。
誤認を防ぐためにもこちらの提示の仕方も重要だと思います。
もし探し物を一緒に探した場合、無くしているものや一緒に探した日付、場所などを記録に記載し説明を求められた際に提示できると誤認が防げるはずです。
また自身の身を守れる証拠にもなりますので、ルーティン作業のみ記録に残すのではなく細かく記録を記載するよう癖付けておくと良いでしょう。
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