介護施設の事例

施設名: ショートステイ

認知症の方へスタッフがセクハラ発言をした事例

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 C1

認知症の状況 Ⅱb

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

認知症の方へスタッフがセクハラ発言をした。

相談を受けたスタッフAさんは早急に介護責任者へ報告し、対応が検討されました。 具体的なセクハラトラブルとして問題にすることはありませんでしたが、利用者への影響が大きかったためしばらくの間女性スタッフのみで可能な限り対応することとし、該当スタッフのIさんに対しては注意喚起の上しばらくSさんへの接触を避けるように指導。 またSさんの言動・精神状態を介護記録に残ししばらく様子観察の上、後日の再検討を行うこととしました。 Sさんのご家族様が施設へ来られることは滅多になかったため、連絡はしばらく様子を見てからとしています。 後日SさんはスタッフのIさんのことを口にすることがなくなり、感情失禁見られず落ち着きを取り戻していかれました。 スタッフIさんが顔を見せても特に気にしている様子も見られないようになったことが確認された時点で接触禁止を解除し通常業務に戻ってもらっています。 また全スタッフに対して何気ない言葉でも個人的に好き・嫌いという言葉の使用に注意する旨、周知を行いました。 ご家族様に対しては、日常の出来事の報告の一環としてそのようなことがありSさんが悩みを持たれたようですとやんわりお伝え致しました。 スタッフのIさんはその場で反応がなかったため、Sさんの変化に気づくことができませんでした。 しかしその後、別のスタッフであるAさんがSさんからの相談で気づくことができトラブルにまで発展することはありませんでした。 利用者とスタッフの関係が機械的になりすぎるのは問題ですが、異性の利用者に対しての配慮の一つとしてこういったことがありえると全職員に周知することができたのは良かったと言えます。

利用者とスタッフの信頼関係を築く上で会話は大変重要であり、今回のようなケースにおける会話内容も問題にならない場合が多いと考えられます。 しかし認知症のある利用者は感情的に不安定なことがあり、相手の言葉を曲解することも少なくありません。 こういったトラブル未満のケースをその都度スタッフに周知し、言葉選びについてスタッフ側で注意していくこと。 また利用者の変化を観察して問題を早期発見できるように気づきをそのまま放置せず、見つけ出して報告できるようにスタッフに指導していくことが大切であると考えられます。

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トラブルが起きた背景

Sさんは認知症が見られておりましたが、受け答えは比較的しっかりとしており物忘れ以外に目立った認知症症状が見られておりませんでした。
既往症として脳血管疾患。その後遺症として下肢の麻痺がありベッド上寝たきりで介護施設に入所しておられました。
ショートステイサービスの施設ではありましたが、限度いっぱいまでステイして長期利用されておりました。
別施設の空きを待っていたようです。
Sさんは大変に穏やかな女性で、オムツの交換や入浴介助を男性のスタッフから受けることも仕方のないこととして、不満を言われたことはありませんでした。
日頃、トラブルの起きた男性スタッフIさんとも良好な関係を築いておりました。
ある時、男性スタッフIさんがSさんのオムツ交換を実施中にスタッフに対して「いつもいつも迷惑ばかりかけて申し訳ありません。こんなことをさせてしまって本当にごめんなさいね」と介助を受けながら話しかけておりました。
スタッフのIさんは「気にしないでいいんですよ。お仕事ですからね。それにいつも良くしてくれるSさんのことは好きですから、ちょっとくらいなにも気にしませんよ」と何気なく返答をしました。
その時はSさんは何もおっしゃらず、オムツ交換終了後「ありがとう」とお礼を言われ、スタッフのIさんもいつも通りの仕事をしたと考えそのまま次の利用者の介助へ向かいました。
しかし、Sさんは自分のことを好きと言ってくれたスタッフIさんに対して思うところがあったのか、女性スタッフAさんに相談を持ちかけました。
「Iさんに好きと言われてしまった。あんな若い男性にこんなお婆ちゃんが。これはいけないことだ。どうしよう。とっても困ってしまった。Iさんを悲しませたくないし、でも困るし、どうしたらいいのかわからない」と真剣に悩んで感情失禁がありました。物忘れのある利用者でしたが数日にわたって悩んでおり、落ち込む様子も見られるようになりました。

対応者の中での対応

相談を受けたスタッフAさんは早急に介護責任者へ報告し、対応が検討されました。
具体的なセクハラトラブルとして問題にすることはありませんでしたが、利用者への影響が大きかったためしばらくの間女性スタッフのみで可能な限り対応することとし、該当スタッフのIさんに対しては注意喚起の上しばらくSさんへの接触を避けるように指導。
またSさんの言動・精神状態を介護記録に残ししばらく様子観察の上、後日の再検討を行うこととしました。
Sさんのご家族様が施設へ来られることは滅多になかったため、連絡はしばらく様子を見てからとしています。
後日SさんはスタッフのIさんのことを口にすることがなくなり、感情失禁見られず落ち着きを取り戻していかれました。
スタッフIさんが顔を見せても特に気にしている様子も見られないようになったことが確認された時点で接触禁止を解除し通常業務に戻ってもらっています。
また全スタッフに対して何気ない言葉でも個人的に好き・嫌いという言葉の使用に注意する旨、周知を行いました。
ご家族様に対しては、日常の出来事の報告の一環としてそのようなことがありSさんが悩みを持たれたようですとやんわりお伝え致しました。
スタッフのIさんはその場で反応がなかったため、Sさんの変化に気づくことができませんでした。
しかしその後、別のスタッフであるAさんがSさんからの相談で気づくことができトラブルにまで発展することはありませんでした。
利用者とスタッフの関係が機械的になりすぎるのは問題ですが、異性の利用者に対しての配慮の一つとしてこういったことがありえると全職員に周知することができたのは良かったと言えます。

今後同じ事例が起きた時の対処法

利用者とスタッフの信頼関係を築く上で会話は大変重要であり、今回のようなケースにおける会話内容も問題にならない場合が多いと考えられます。
しかし認知症のある利用者は感情的に不安定なことがあり、相手の言葉を曲解することも少なくありません。
こういったトラブル未満のケースをその都度スタッフに周知し、言葉選びについてスタッフ側で注意していくこと。
また利用者の変化を観察して問題を早期発見できるように気づきをそのまま放置せず、見つけ出して報告できるようにスタッフに指導していくことが大切であると考えられます。

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