介護施設の事例

施設名: 介護老人保健施設

介護老人保健施設相談支援専門員なし

対応者

対応者

対応者 相談支援専門員

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 Ⅱb

性別 男性

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トラブルが起きた背景

oさんは軽度の認知症、糖尿病網膜症により失明し、全盲。自分の居室では手探りで身の回りの事や、トイレは行えていました。普段は穏やかなお爺ちゃんなのですが、最近認知症が進んできており、物をおいた場所を忘れてしまうようになり、部屋に泥棒が入って盗むんだと「泥棒、泥棒」と昼夜とわず怒鳴りちらすようになりました。隣の部屋のお婆ちゃんからは「眠れない」と苦情がきております。職員が一緒にさがすと別の場所から出てきたり、一年以上前の物を探していたりと、過去と現在の記憶が混ざってしまっている状態でした。ある職員「勘違いじゃないですか」と否定してしまった時は、物を叩く、投げると修羅場になりました。職員全体でカンファレンスを行い1、否定はしない話を聞く。2、物を盗ったとターゲットになっている場合は別の職員が対応する。3、家族に外出支援など気分転換を図る機会を作ってもらう。事を共通の対応としました。認知症は病気であり、毎回自分の大切な物がなくなり困っている。Oさんの立場に立って考え理解しなければならないのがケアのプロです。同じ事を繰り返してもOさんにとってははじめて起きた出来事です。私達職員も何度も同じ事を言われ、否定したくなる時もありますが、そんな時は自分一人で解決しようと思わず、職員同士でサポートするようにしています。Oさんは今でも物盗られ妄想はありますが、話を聞く、否定をしない、気分転換を図る事で以前のように怒鳴る頻度はずいぶん減りました。

対応者の中での対応

カンファレンス会議を行い、ケアの方向性を決めた事。職員全体で認知症を理解する。一人で解決しない、チームで対応する(チームで対応する場合もOさんを混乱させないように同じ対応をする)以上の事をユニット全体で、話し合い決められた事は良かったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

認知症で、物盗られ妄想や幻覚の症状で苦しむ方は沢山います。泥棒が入るから隠す。隠した場所を忘れるといった悪循環や預けた事を忘れてしまう、過去の記憶と今が混ざっている等、様々な悩みを抱えている利用者さんがいると思います。私が認知症の方と接して思うのは、まずその人の悩み、苦しみをその人の立場に立って考える事、現実としてとらえる事が大切だと思います。どうしてもその話から抜け出せない時は、過去の記憶(エピソード記憶)で楽しかった話題に話を切り替えてみてください。意外と女学生時代の話など過去の思い出を覚えている場合も多く、気持ちを切り替えられる場合もあります。一人で対応、解決するのではなく職員同士で助け合ってケアにあたることも重要だと思います。

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