介護施設の事例
施設名: 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)介護職員身体障害
対応者
対応者 介護職員
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 男性
トラブルが起きた背景
Iさんは半身不随の方で、車椅子を使用されており、応答も「ああ(肯定)」「え?(疑問、否定)」など、
こちらはイントネーションをくみとるのが精一杯だった。
片側の腕、足は健常なので、指差しでうまく意思表明をしてもらえることはあった。
一方で、痔が痛むらしく、椅子から立ち上がって移動しようとされることも多い。
確かに、Iさんは手すりのあるトイレでの立ち座りはされるが、車椅子なしで移動ができるほどには回復されておらず、少し危なっかしい方だった。
自分はフロアーの見守りと記帳が仕事だったが、その時は忙しく、彼の他数人の入居者(健常な方)をフロアーに残したまま、少しの間フロアーを無人にしてしまった。
対応者の中での対応
初めに他の入居者の方が異常に気付き、自分に知らせてくれ、自分は裁量も知識も少ない立場だったので、さらに上のスタッフや看護師を呼んだ。
彼は頭を打った可能性が高かったが、明らかな出血や骨折といった外傷はない様子だった。施設としては意識の確認、搬送などの対処が適切にでき、Iさんが数日後施設に帰ってこられた時も、大きくお変わりはなかった。
自分は先輩に教わって、初めて始末書を書いた。
今後同じ事例が起きた時の対処法
Iさんの立ち上がりには常に気を配ること、少しでもフロアーを離れる際はIさんには臥床してもらうことは、先輩から指示を受けていた。
しかし、自分はIさんとの信頼関係の問題だと思い、万一を起こさないためである指示を、自己判断で疎かにしてしまった。
当時は段々とIさんとの意思疎通が成立するようになっており、彼が冷蔵庫内のジュース飲料を飲みたがっていられるのを発見できたことなどで、Iさんをわかった気になっていた。そのため事故直前にも、Iさんとの間で「立ち上がってはいけない」という合意が取れていれば事故が避けられると思ったし、Iさんの意思や、無理な行動が比較的少なくなってきている傾向を無視して、臥床させる決まりはお互いに不自由だろうと、自分には無責任な感情論に従っているところがあった。
この事故のあと自分は、介護中に交わす意志疎通というものの重み付けの難しさ、ちょっとの過信が簡単にお互いの望まぬ事態を招いてしまうこと、少々窮屈に感じる決まりはそういった取り返しのつかない危険を回避していたことなどを痛感した。
当時の自分と似たことをしがちな人は、この例を思い出して、綱渡り的な介護を重々控えてほしい。
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