介護施設の事例
施設名: 介護老人保健施設
介護老人保健施設理学療法士なし
対応者
対応者 理学療法士
対応者 女性
お相手
寝たきり度 B1
認知症の状況 Ⅲa
性別 女性
トラブルが起きた背景
Kさんはこの年まで一人で住まわれており、今回初の入院からの施設利用となりました。もともと韓国の方で、日本語でのコミュニケーションが難しく(ごく簡単な日常会話が可能なレベル)、かつ認知症もあり(測定上では言語での意志疎通が難しいため重度判定であるが、実際は中等度程度であると思われる)、お互い正確なコミュニケーションが難しい方です。それまでは狭い範囲のコミュニティでの生活であり、何かあっても息子さんないしは娘さん(こどもさんは日本人)を介してやっておられました。しかし施設内では自分でコミュニケーションをとらなければならず、しかも今まで病気をしたことがなく、自分は健康である、今まで自分で運動もやってきた、他人の手助けは不要であるという考えが抜けないため、リハビリに対して猛烈な拒否をされていました。もちろん、機能低下がみられ、リハビリはこの利用者さんにとって必要でありかつ、施設の特徴上、週2回のリハビリは必須なのですが、ご本人に説明しても言語的にも認知症の面でもなかなか伝わらず、利用者さんの暴言等もみられ、リハビリは実施不可能なレベルでした。結局、現状等をご家族さんにお話し、相談した結果、ご本人のペースに合わせ、やるからやらないか極力ご本人に合わせるということで話し合いが終わりました。
対応者の中での対応
リハビリの観点からすると、もちろんリハビリ実施すべき方ですが、ご本人の意思尊重の面でも、施設で穏やかに過ごしていくためにも、ご本人のペースに合わせることは必要であったと思います。リハビリ内容ももちろんきちんと考慮し、きちんとご家族さんとコミュニケーションをとり、現状を把握していただいた上でご本人へもご説明もいただき、出きることはきちんと対応させてもらった上での施設全体としての判断ができた所はよかった思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
施設としては、疾患としての表面的な所だけでなく、コミュニケーションが物理的に難しい方の施設入所をもう少しきちんと考えていく必要があったケースであると考えています。この利用者さんは、ごく簡単な質問であれば受け答えが可能ではあるため、おそらく認知症でのコミュニケーション困難との判断が難しかったと思います。年齢による難聴も持たれており、今後ますます、様々なケースのコミュニケーション困難の利用者さんが増えていくことと思われるため、その点を踏まえて仕事をしていく必要があると思います。
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