介護施設の事例
施設名: 通所リハビリテーション(デイケア)
通所リハビリテーション(デイケア)介護福祉士骨粗しょう症
対応者
対応者 介護福祉士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J2
認知症の状況 Ⅱa
性別 男性
トラブルが起きた背景
Kさんは、物忘れと少し被害妄想がある家族と同居している方で、勘違いから自分の財布を他人のカバンに入れてしまい、トラブルとなることが月に1回はありました。
ある日、いつものようにデイケアの帰りの送迎の準備をしていると、Kさんが「カバンの中に財布がない」と大きな声で騒ぎ始めました。
私は、他の利用者の方お一人お一人に、「Kさんの財布が間違って入っていませんか?」と確認をしていきました。
そうすると、あるお一人の女性利用者のカバンの中から、Kさんの財布が出てきました。その女性のカバンは、Kさんのカバンと似たような色をしていたために、Kさんが間違って財布をしまったことは、他の利用者の方も周りの介護職員も気づいた様子でした。
しかし、肝心のKさんは、「あの人が私の財布を盗んだ!」と騒ぎ始め、犯人扱いされた利用者も大変憤慨されてしまいました。
私の方で、犯人扱いされた利用者を少し離れたところへお連れして、「介護職の方でしっかりと、Kさんの財布を管理していればこのようなトラブルに巻き込むことはありませんでした。大変、申し訳ないです。」と謝罪させていただきました。
犯人扱いされた方も、よくあることだったので「あなたがそんなに謝ることではないし、私は気にしていないから大丈夫だよ。あなたも、そんなことでおちこまないでね。」と優しく声をかけていただきました。
Kさんは、別のスタッフが「財布がどうしてなくなったかお話ししましょう。」と面談室へとお連れして、お茶を出して話題をすり替えたところ、財布のことはすっかりと忘れてしまっていたようです。
対応者の中での対応
私自身の対応としては、とにかく騒ぎを大きくしないことと、犯人扱いされた方が少しでも嫌な気持ちにならないように気をつけることを意識しました。
Kさんが「財布がない!」と気づいたときに、一緒になって「どうしたんだろうね?どこにいってしまったのでしょうか?」などと声をかけると、余計に不安をあおることになりかねないし、落ち着いた静かな声で話しかける方が、Kさん自身が落ち着くことにつながると考えました。
おそらく、そのようなことを考えて行動したことが良かったのだと感じます。
また、スタッフ間でこのような騒ぎになったときの行動や言動について、夕方のミーティング等で話し合っていたこともよかったと考えます。
今後同じ事例が起きた時の対処法
認知症の症状のある方への対応については、基本的なことも含めてしっかりと学んでおく必要はあると考えます。
また、介護職員としてコミュニケーション技術について、しっかり学ぶことは大切であると考えます。
コミュニケーションの技法について学んでおくことで、場面に応じた声のかけ方や、どのような声かけをすると不安をあおることにつながるのか知っておくのと知らないのでは、ケアの質にも大きな差が出ると感じます。
また、トラブルに巻き込まれた利用者へのフォローについても、ケアチームで取り組まなければならない問題と考えます。
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