介護施設の事例

施設名: 訪問リハビリテーション

訪問リハビリテーションケアマネージャー(介護支援専門員)がん

対応者

対応者

対応者 ケアマネージャー(介護支援専門員)

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 Ⅲa

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Sさんは膀胱癌を5年前に発症しましたが、癌の進行は遅く、3年前から独居として自宅療養をしていました。
3年前Sさんの旦那さんが他界した頃から、認知症を発症。最初の内は軽度の認知症であったため、ご家族の援助を受けながらなんとか1人で暮らしていました。
カラオケや麻雀、友達との飲み会など高齢ながらも社会的交流があったSさん。
しかし1年ほど前から次第に友達との交流が減り、外出頻度も減っていました。この頃から心配したSさんの娘さんと2人で暮らすようになりました。次第に認知症で弱っていくSさん(母親)の姿を受け止められない娘さんは、Sさんの意味不明な言動や徘徊などを目の当たりにする度にSさんに当たってしまっていた娘さんといつも喧嘩をしていました。ケアマネージャーとしては、訪問時Sさんと娘さん両者の話を傾聴して対応していました。

対応者の中での対応

Sさんと娘さんは家族関係であり、家庭内で喧嘩することは問題ないと思われますが、娘さんがSさんの認知症を受け止め切れていない現状があり、認知症状が出現する度に、家族関係の悪化が露呈してしまうことが多かったと思います。
良かった点としては、第3者である私が両者の話を聞くことで一時的な心理的ストレスの軽減を図れた事。
悪かった点としては、Sさんを受け止める方法を早期に提示できなかったことが考えられます。Sさんの言動や行動が認知症の症状から来るものだと娘さんが理解することで、関係性の再構築に繋がったかもしれません。

今後同じ事例が起きた時の対処法

認知症をお持ちの方を在宅介護しているご家族さんでは今回のケースはよくある話だと思われます。
Sさんとご家族さんは家族であり、Sさんは娘さんのお母さん的な役割を意識として持っていました。認知症によってお母さん的な役割を上手く遂行できず、娘さんに怒られるばかりの日常では自己肯定感の低下を招き、不穏言動・不穏行動が増すことも考えられます。
娘さんへの認知症症状への理解を促しながら、Sさんには娘さんに母親としての役割を達成できる何か(例えば娘さんが昔好きだった卵焼きを作って上げれるような環境を設定し、安全を配慮した環境で作ってもらう等)を与えることで、自分の役割に自信が付き、認知症による意味不明な言動や行動の減少につながることも考えられます。
目の前にある事象だけではなく、Sさんが生きてきた誇りみたいなものをくみ取って差し上げるようなマネジメントが出来ると、利用者さんの生活の質の向上に繋がると今になって感じます。

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