介護施設の事例

施設名: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)相談支援専門員骨粗しょう症

対応者

対応者

対応者 相談支援専門員

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱb

性別 女性

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トラブルが起きた背景

デイサービスを4年ほど利用して下さっているMさんは、通所開始当初は認知度も低く明朗快活な方でした。
しかし、だんだん認知症の症状が進み、1年ほど前から先ほどお話をされたことを忘れたり、デイサービス内の備品をご自分の持ち物と混同し、帰宅時に自宅に持ち帰ろうとすることがしばしば見受けられるようになってきました。
持ち物の混同があった時はその都度、間違いをやんわりと説明したり別の話に反らすと落ち着かれるため、そのように対応をしてきました。しかし、3ヶ月ほど前、私が腕にはめていた腕時計をご自分の物だと主張され、いつものように対応をしても落ち着かれず、「返せ!」と大声で叫び始めました。
他のスタッフの方にも入っていただき、急いで腕時計を外し、Mさんの好きなレクリエーションを行って気をそらすと落ち着きを取り戻されたようでスタッフ一同で良かったと胸をなでおろしました。
その後、ケアマネージャーさんに一連の出来事を報告し、再び同様のことが起こった場合はすぐケアマネージャーさんにも連絡を入れることを取り決めました。これでこの出来事は完結したと思ったのですが、Mさんはご自宅に帰られてから再び腕時計のことを思い出したのか、ケアマネージャーさんに窃盗を受けたと電話をかけました。
話を聞いていたケアマネージャーさんの対応では満足できなかったのか、Mさんは市の高齢福祉課にも電話をかけました。話を聞いた市の方は違和感を覚えたものの、窃盗を訴えているということで私たちの事業所にも連絡が入り、迷惑をかけることとなってしまいました。
その後、Mさんはすっかりそのことを忘れ、次の利用日には笑顔で来所されました。
通所当初から温和な方だったので迂闊でしたが、今後も混同や突発的な怒りが起こる可能性があります。主治医の先生の指示を受けながら、ケアマネージャーさんや行政機関とより密な連絡を取って対応していこうと考えています。

対応者の中での対応

自分ひとりで対応をせず別のスタッフと対応を行い、お好きなレクリエーションをするなど気持ちを反らすことは落ち着きを取り戻す対応として良かったと思っています。そのまま怒りの状態が続くと、他の利用者の方も混乱されたと思うのでまずは落ち着いていただくことは大切だと感じるからです。
しかし、ケアマネージャーさんだけではなく、市の担当の方にもすぐに連絡をしていればよかったと反省しています。ケアマネージャーさんから説明していただけるということでお願いをしたのですが、事業所から直接連絡をすれば迅速で、より詳細に伝えることができ、Mさんから電話が来た時も混乱が起きることはなかったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

デイサービスを長く利用していただくと、悲しいかな利用者の方は体や認知機能の低下が見受けられるようになります。
だからこそ、様々な症状の変化やトラブルを事前に想定して対応していく必要があります。
しかし、自分ひとりで利用者さんの変化やトラブルに対応することは困難で負担となります。他のスタッフの方やケアマネージャーさん、行政機関の方、医師の方と連絡を密に取り、チームで対応していくという気持ちが大切だと思います。
介護事業所に務めると、よく「現場と行政機関」などという意識や隔たりを生みがちです。そうではなく、日頃から良好な関係を築いていれば、自分が利用者さんとトラブルになった時に大きな力となってくれると思います。

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