介護施設の事例

施設名: 小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護介護職員(ホームヘルパー)認知症

対応者

対応者

対応者 介護職員(ホームヘルパー)

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 Ⅲb

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Sさんは、週に4日通所介護を利用されていました。歩行に問題もなく、言動もしっかりしているように見えます。
しかし実際は認知症がかなり進行しており、要介護度も自身で考えているよりも高く判定されています。
Sさんの特に困ったところは、ほかの利用者をあからさまに見下す言動でした。特に車椅子の利用者に対しは当たりが強く「私はああはなりたくない」と聞こえるような悪口を言うこともありました。言われた利用者はもちろん、それを聞いていた利用者も気分を害し施設全体の空気が悪くなる原因でした。
そこでSさんの席はテレビの正面・最前列と優先的に配置しました。テレビに意識が向くよう、また車椅子の利用者が自然と視界に入らないよう工夫した配置です。そしてSさんは職員は誰でも大好きだったので、手が空いた職員はSさんの座るテーブルで積極的に会話を盛り上げることになっていました。
またSさんは受け答えは得意だったので、レクリエーションやボランティア訪問のときなどに代表者としての感想を求めれば、とても機嫌良く終日過ごしてくれました。

対応者の中での対応

Sさんの不穏は施設の空気全体を悪くするため、職員全員が優先的に配慮する必要がありました。
ただしSさんだけを優遇するわけにはいかないので、話し相手になるときにはテーブル全体を巻き込むことを意識しました。
また体を動かすレクリエーションはSさんが楽しめつつ、自立度の低い方も参加できるものを選びました。
気難しいSさんをプラスの意味でのムードメーカーにすることで、施設全体が活発な雰囲気になりました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

施設のムードメーカーであるSさんのご機嫌とりは必要不可欠であるとは、職員全員の共通認識でした。
しかしあまりにSさんに偏り過ぎることで、ほかの利用者が不公平を感じることもありました。
そこでSさんに配慮する職員がいた場合には、ほかの利用者のフォローを別の職員が担当するというように、職員同士の暗黙の連携が必須です。また優遇されることが次第に当たり前となってしまったSさんは、認知症の進行とともに自己中心的な態度もエスカレートしていきました。職員はSさんとどの程度関わっていくべきか。定期的に話し合い見直す必要がありました。

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