介護施設の事例

施設名: 定期巡回・随時対応型訪問介護看護

定期巡回・随時対応型訪問介護看護介護福祉士なし

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 B1

認知症の状況 Ⅲb

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Fさんは片麻痺、車椅子使用。認知症があり暴力行為がある方です。
Fさんが入居されている特別養護老人ホームでは、月に1回、歯科医師と歯科衛生士の往診があります。Fさんはその日の機嫌にもよりますが、歯科衛生士の行う口腔ケアを問題なく受けられる時と、途中で大暴れしてしまう時があります。
介護職員も口腔ケアの付き添いの際にFさんに腹部を蹴られて尻もちをついたこともあります。ある日、歯科衛生士の口腔ケアの際にFさんが途中で拒否し、歯科衛生士の左親指を噛んでしまいました。歯科衛生士の方は親指を数針縫うことになり、FさんがC型肝炎罹患者ということもあり、病院で検査を行うことにもなりました。外部から来られている歯科衛生士の方なので、施設が病院に治療費を支払って解決はしましたが、今後同じようなことがあっては困るとのことでFさんは歯科衛生士の口腔ケア及び歯科医師による往診を一切しないということに決定しました。
普段の生活でも介護職が口腔ケアをすることはなく、月に1回の口腔ケアだけだったFさんですが、それすらも受けられない状態となりました。

対応者の中での対応

「拒否のある利用者に無理をして介護をしない」というのがFさんの入居されている施設の理念ですが、果たしてそれが利用者の生活の質の向上に繋がるのかというと微妙です。
確かにC型肝炎罹患者のFさんが人の指を噛み、怪我をさせることは危険です。
しかし、普段から一切していない口腔ケアをFさんが唯一受けられるのは歯科衛生士の方が来られる月に1回だけです。口腔ケアは毎日行うのが理想です。月1回だけでも少ないというのに、今後一切しないとなれば菌の繁殖から肺炎等の感染症を起こすリスクも高くなります。
人に怪我をさせることはいけないこと。だから口腔ケアは一切しない。というのではなく、Fさんが快適に口腔ケアを受けられるように対応できれば良かったと思います。
Fさんも毎度毎度暴れるわけではありません。本人の状態を確認しながら、適切なケアを行えたら良かったと心残りです。

今後同じ事例が起きた時の対処法

認知症になり、暴力行為のひどい利用者さんは介護施設に大勢おられます。その方たちが「あの人は暴力を振るうから危ない」と認識されてケアを受けられないというのは非常に不平等な話です。
暴力行為があるからこそ、その方とどう接すれば本人の状態が落ち着くか。コミュニケーションや介護技術の力量が問われる課題だと思います。
暴力行為があっても利用者は皆さん一律、平等にケアを受ける権利はあります。暴力行為を言い訳に介護放棄をせずに、きちんと本人と向き合うようにしていきたいです。

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