介護施設の事例

施設名: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)介護福祉士なし

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱb

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Yさんは70歳の女性ですが、視力が弱く耳も遠いため「誰かに手を引いてもらわないと歩けない」「耳元で叫んでもらわないと聞こえない」というのが口癖でした。
実際、一人だと生まれたての鹿のような歩き方になってしまうため、いつも職員が手引きで案内していたのですがある日のこと、普段とは全く違う曜日と時間に、Yさんが一人でひょっこりと現れたのです。
ドアを開けてスタッフに手を振るYさんに全員が驚き「どうしたの!?」「どうやって来たの!?」と駆け寄ると「病院に寄った帰りに来ちゃった。休ませて」とスタスタ歩いて一人で椅子に座ったのです。
利用時間じゃないとはいえ利用者なので、とりあえず別室にお通ししましたが、
「…歩けないはずじゃなかった?」「それより見えないし聞こえないんじゃなかった?」とスタッフが呆然とする中、Yさんは迷いのない手つきで水筒を取り出し、自分でお茶を入れて飲み干していました。
Yさんは視力も聴力も問題はない代わり、軽度の認知症だと診断されたのはその後のことです。
ご家族に連絡してみると、Yさんは病院から無断で歩いてきたらしく、パニック状態だった娘さんが大急ぎで迎えに来てくれました。
その際、視力と聴力のことを聞いてみたところ、ご自宅では問題なく階段を上り下りしていて、テレビも見るし食事も一人で食べているとのこと。
「デイサービスに来ると甘えたくなってしまうのでしょうか」と娘さんは不思議そうでしたが、スタッフも輪をかけて不可解な気持ちになりました。
交通量の多い道路を一人で歩いてこられたとはいえ、通所時に「歩けない」と言われれば介助しないわけにもいかず、Yさんはデイサービスの敷地内では未だに手引きで歩いています。

対応者の中での対応

ご家族にすぐに連絡するのは基本ですが、Yさんを見失って半狂乱になっていた娘さんを落ち着かせる方が大変でした。
実際にご家族の話を聞くと、日常生活とデイサービス内との違いが浮き彫りになったので、そこを確認できたことは大きな収穫だったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

普段の状態に関係なく外傷はないか、態度の変化はないかを確かめ、とにかく休んでもらうのが正解だと思います。
デイサービスに通う利用者は運動量の不足を指摘されていることが多いので、一人で外を歩いた後はかなり体力を消耗しています。
また認知症の方なら、歩き続けることで興奮状態に陥っていることも多いです。
椅子に座って休んでいても、電話をかけている間にまたフラッといなくなってしまう可能性もあります。
できれば対応スタッフを分けて、関係者への連絡と本人の状態確認を同時進行で行って下さい。

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