介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

訪問介護(ホームヘルプ)サービス提供責任者なし

対応者

対応者

対応者 サービス提供責任者

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 わからない

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Hさんは60代の独居女性ですが、事故に遭って体が動かしにくくなったため、ヘルパーが生活援助に入ることになりました。
まだお若く、精神的に不安定な所があるという担当者の言葉を念頭に置いて、訪問前の契約に出かけたのですが、玄関を開けると目に入ったのは廊下を埋め尽くす堆積物の山。
どれも開けていない段ボールや着ていない服、真新しい布団などで、全てHさんが購入したものだとか。
「これでもようやく床が見えるまで片付けられたんです…」と担当者さんが呟き、人一人がやっとの狭さの廊下を進んでHさんの寝室まで辿り着くと、やはりベッド以外は真新しい荷物の山。
Hさんご本人はとても上品で優しい人で、「自分で動ければ片付けるんだけど」と申し訳なさそうな様子。
ホッとしながら契約書を取り出し、Hさんの印鑑をお願いすると「その辺にあるんだけど…」周囲の山を指さされ、慌てて全員が山を崩しての発掘作業を開始。続いて朱肉、ティッシュも発掘するのに20分以上。
ようやく未開封の印鑑を見つけて押印、契約完了となりましたが、開いた印鑑のビニールパッケージを「捨てましょうか?」と預かろうとすると「いえ。何かに使うかもしれないし。取っておきます」と布団の奥に押し込むHさん。
これは自分で動けても片付けられないだろうな…と全員が痛感した瞬間でした。
破れたパッケージなんてどう考えても今後の使い道はありませんが、無理矢理捨てるわけにもいかないので「手を切るかもしれないし、この箱に入れておきませんか?」と手近な空き段ボールを持ってくると、Hさんは抵抗なくそこに入れてくれました。
不潔行為こそないものの、使えない物を「ゴミ」と捉える感覚がないようなので、あくまでご本人の意思を尊重する形でケアにはいらなければ、とヘルパーにも注意を促して入ってもらうようにしました。

対応者の中での対応

Hさんはご主人の残した資産と定期的な収入があり、ご自宅もオートロックつきの広いマンションですが、山のような荷物のせいで2畳程度しか動ける場所がありません。
とりあえずゴミとそうで無いものを分ける作業から始めましたが、輪ゴムやレシート、破れたビニールさえも「取っておいてください」と即答するHさんに全員が唖然。
「これは?」「これは?」とご本人に聞いていかないと何も片付かず、翌週には更に新しい物を買ってしまうため、契約以降1ヶ月経っても部屋はちっとも片付かないまま。
「本当に大事な印鑑や証書だけ一カ所にまとめてくだされば大丈夫です」という担当者さんの懇願だけは達成しましたが、まるでイタチごっこのようなこの作業、いつ終わるとも知れずHさん宅は未だに初期状態。
ある意味、良いお得意様と言えるかもしれません。

今後同じ事例が起きた時の対処法

そもそも、生活に何の問題もなければ介護を必要とするわけがありません。
いくら穏やかな利用者でも、そこはご自身の家なのですから、他人に指図されるのは抵抗があるでしょう。
作業がどれだけ遅くなっても、命に関わること以外はご本人の意思を尊重してケアに入るしかありません。
焦って終わらせようとするよりは、お付き合いする内に利用者のやる気も出てくるかもしれない…と気長に構えた方がお互いのためです。

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