介護施設の事例
施設名: 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)介護職員認知症
対応者
対応者 介護職員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 B1
認知症の状況 Ⅲb
性別 女性
トラブルが起きた背景
グループホームの入居者の一人、Sさんは認知が進み、食事や歩行、トイレにもスタッフの介助が必要な方でした。
ですが、時々スタスタ歩いて物を取ったり、知らない間に下着を自分で替えていたりするので、何ができて何ができないのかは誰も正確にわからない状態でした。
とはいえ、夜間はリハビリパンツ着用でぐっすり寝ているため、翌朝の排泄介助が少し大変な方というのがスタッフの共通認識。
なのにある夜、突然部屋のドアがガラッと開いて、Sさんがすごい勢いで走ってトイレに飛び込んだのです。
その驚くような速さと普段とのギャップに唖然、見ていないスタッフに事情を話しても「まさか」と笑われるだけでした。
そしてSさんがベッドにいないのを確認するとスタッフ全員が「大変だ!」と大騒ぎ。
何度話しても「あの人が介助なしで歩けるわけないだろ」と信じてもらえませんでした。
その後、押し問答するスタッフ二人の前でトイレから出てきたSさんはスタスタと歩いて部屋に戻ったので、結局は二人とも唖然としながら日誌にその旨を書き込みましたが、Sさんが全速力を出したのは後にも先にもその日だけ。
「Sさん、走れるよね?」「あの時、自分でトイレに行ったよね?」と聞いても、本人は車椅子に座って黙っているだけです。
相変わらず介助はスタッフ任せですが、やっぱり時々Sさんの部屋のゴミが捨てられていたり、スタッフがいない間にSさんの着ていた服が替わっていたりという現象が起きています。
かかりつけ医の話では「筋肉には問題はないので、やる気になれば可能かもしれないね」とのことでした。
対応者の中での対応
普段は全く歩かない利用者が自力で歩くという出来事はたまにありますが、全速力で走る利用者というのは、見た瞬間に唖然とするほど珍しいものだと思います。
実際、その場にいたスタッフもビックリするだけで、転ばないよう近くで見守るのが精一杯でした。
後になって「転倒しなくてよかった」と冷や汗が出ましたが、普段は無気力なSさんにそれだけの力が残っているという事に、ちょっと感動しました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
施設での夜勤は緊張するものですが、思いも寄らないことが度々起きるのも事実です。
常に平常心を失わないようスタッフ同士の連携を強化して、不測の事態にもできる限りの対応をするのが基本的な心構えでしょう。
何か起こったらまず報告、なんでも一人で行おうとせず、報告・連絡・相談はきちんと行って下さい。
信じられないことが起きた時でも、状況を把握して正確な報告を心がけることで、今後の改善策に繋がるかも知れません。
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