介護施設の事例

施設名: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)介護職員認知症

対応者

対応者

対応者 介護職員

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況 Ⅱa

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Sさんは元学校関係者ということもあり、いつも身だしなみをキチンとしてハキハキ話す女性でした。
しかし認知症が進行しており、一人で外出して道に迷ったり何度も間違えて電話をかけたりすることが相次ぎ、日中はデイサービスで過ごすことになりました。
とはいえ見た目は非常にしっかりして若々しいSさんはのんびりしたデイの雰囲気が合わず、また他の利用者も高飛車に話しては辻褄が合わなくなるSさんとの会話を煙たがり、結局Sさんは孤立してデイを休みがちになってしまいました。
そしてある日、Sさんと同居している息子さんから「母がそちらに行っていませんか」と連絡が入りました。
時間はなんと朝の5時。
同じ敷地内にある宿泊施設の職員が運良く電話を取ってくれましたが答えようがなく、デイスタッフが出勤する時間になってもSさんの行方はわからないままでした。
息子さんとは連絡を取り合いましたが、デイの送迎時間になってもSさんは戻ってきませんでした。
やっと行方がわかったのはその日の夜。隣県の警察署から連絡が来たのですが「何も仰らないため、持っていた病院の診察券から検索したので、ご本人かどうか…」と渋る警察官の言う通り、Sさんは息子さんが迎えに行ってもムスッとしたまま何も話しませんでした。
目撃者の話をつなぎ合わせてみると、Sさんはその日の早朝、家の前の道路からタクシーに乗り込み、かなり遠くの駅を指定したそうです。
運転手が言われたとおりの場所に車を走らせると、「ここじゃないわ」と全く別の駅名を言う…というローテーションが繰り返され、最終的にタクシーとバスを4つほど乗り継いで山の中まで行ってしまい、自分でも帰り方がわからなくなったそうです。
一見とてもしっかりしたインテリ風のSさんの言うことを、初対面の運転手が疑うはずもなく、結局県警と派出所まで巻き込んだ騒動になってしまいました。

対応者の中での対応

見た目と話し方はとても認知症とは思えないSさんですが、やはり一人での外出はできなくなっていたようです。
そもそも、外出した理由自体がわからないのですが、デイに馴染めない現状はスタッフもわかっていたので、Sさんが寛げる環境を作り出せなかったデイサービス側の責任も確かにあったと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

利用者さんが何を求めているか、どんな環境で落ち着くのかを見つけ出すのは介護の永遠の課題かもしれません。
話すだけではわからないこともあるので、これまで過ごしてきた環境や趣味への理解、何よりスタッフとの信頼関係を築くことが、介護施設に馴染んでもらえる一番の近道でしょう。
気難しい利用者さんでも、気持ちを汲んで理解する努力だけは忘れないようにしたいと思います。

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