介護施設の事例

施設名: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)介護職員認知症

対応者

対応者

対応者 介護職員

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 わからない

認知症の状況 わからない

性別 女性

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トラブルが起きた背景

Yさんはグループホームで生活しデイサービスを週5回利用している女性です。
診断は受けていませんが明らかに認知症の症状が認められます。
デイサービスの利用目的の主なものは日中に「起きていること」「入浴」なのですが、入浴に対する拒絶が強くなかなか入浴してもらえません。肥満もあって、自分で洗髪や洗体は困難な状況なのです。グループホームでは入浴は絶対にしないということでデイサービスでの入浴を強くホーム側から希望されています。
デイサービスでは数人が一緒に入浴するのですが、ある時他の利用者から「太っとる」と言われたことが気になったようで、そのことをきっかけに他の利用者に対して「あの人は盗人」「あの人は家がない、孤児だ」などと他人を誹謗中傷することが始まりました。
と共にすきを見て人の物を盗んだり、わざとぶつかって飲み物をこぼしたりと目に余る行動が増えてきました。
そして、入浴も拒否するようになってしまい、半ば強引に入浴に誘ったスタッフを押し倒しけがをさせてしまうというトラブルに発展してしまいました。
スタッフにけがを負わせてしまったことを理由に利用を拒否するという話も出たのですが、けがをした本人から自分も声掛けが雑だったという反省も踏まえ利用を継続してほしいという申し出もあり、利用は継続してもらうことになりました。スタッフの中には手に余る、ボケが進んでいるという声もあり、接するのが怖いという意見も出てきた中で、Mさんはコミュニケーションをとることに全力を注いでとにかく話を聞き、作話や妄想の混じった会話に耳を傾け情報収集をしていました。
そして、Yさんの持っている「孤独」が原因かもしれないということに気づきました。
デイサービスには家庭から通ってきている人が大半で、家族がいるということがYさんにとって羨ましくもあり、その反動で自分をどんどんマイナスのイメージに結び付けていたのです。
スタッフで話し合い、とにかくコミュニケーションをとり、他の利用者との関係性や位置取りも視野に入れながらYさんが不快な思いをしないように配慮。結果として入浴にも応じるようになり、楽しく通所できるようになりました。
スタッフも業務の中で遠くからでも姿が見えたら笑顔を送る、そんなコミュニケーションも続けています。

対応者の中での対応

悪かった点はデイサービスの忙しい入浴場面で、スタッフがMさんに対して配慮が足りなかったという点でしょう。そしてそのために押し飛ばされてけがをしてしまったことにあります。
場合によっては暴力ととらえ、利用を断ることもできるケースですが、対応したMさんはその原因は自分にあると気づきスタッフ全員を巻き込んでYさんとスタッフの関係性の見直しをするという行動につなげていったことが良い結果をもたらしました。
コロナ禍でグループホームでもデイサービスにおいても、スタッフとの距離が精神的にも遠くなってしまい「孤独感」が強まっているということに気づかされた事例でした。

今後同じ事例が起きた時の対処法

デイサービスは時間帯によっては慌ただしく、スタッフも精神的に余裕がなくなってしまいます。
入浴場面においては順番を待っている人に対応する人、入浴支援をする人がうまく連携をとり、落ち着いた雰囲気を醸し出し、トラブルを未然に防ぐことが重要と考えます。
トラブルが起きたらという以前にトラブルを起こさない方法を検討しておくことが大切です。
また、起きてしまったことに対して互いを非難するのではなく「どうしてそうなったのか」を共通認識することが必要だと思います。

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