介護施設の事例
施設名: 通所リハビリテーション(デイケア)
通所リハビリテーション(デイケア)管理者(施設長・ホーム長)なし
対応者
対応者 管理者(施設長・ホーム長)
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅱa
性別 男性
トラブルが起きた背景
通所初利用時のトラブルです。僕が勤める通所リハビリテーションでは必ず事前に実態調査を行い、通所の可否をカンファレンスにて決定後利用して頂く事となってますが、実態調査の限られた時間の中で全ての情報を把握する事は大変難しく、通所開始してから再アセスメントを行い、具体的なプランを確定するには早くても2週間は必要でした。
こちらの方は、アルツハイマー型認知症の診断がありましたがお体は非常にお元気で、見当識も比較的しっかりと保たれている方です。ご家族様からは不穏時に対応が難しい場合があるとお話は受けておりましたが実態調査時はとても温厚で、我々にも非常に細やかな気遣いを下さる方でした。
朝の送迎も特に変わりなく、穏やかに来所頂きましたが、朝の会が終わりリハビリと入浴のサービスが開始。ご本人には暫く待って頂くため、脳トレの計算問題に取り組んで頂き、何の問題もなく熱心に行っておりました。
30分程経過したときの事。
突然ご本人が立ち上がり、「なんだ、この葬式みたいな雰囲気は!!楽しまなきゃダメだろう!!」と大声で怒鳴り始め、目の前にあったコップを投げ始めました。声がけでなだめようとしても言葉が全く入らず、とにかく「楽しめ!!」と怒号を浴びせるばかり。他の方も驚いて、一時的に避難を要する程でした。触発すればするほどご本人も怒る為、暫く離れて様子を見ていると5分程でそれが全くなかったかのようにニコニコとほほ笑んんでいるのです。
この日は3回程同様の事がありました。ご家族へその事を報告すると、やはりご自宅でも同様に性格が180度変わってしまったかのような変動があり、酷い時では走っている車を止めて運転手を怒鳴りつける事もあるとの事。
以降、何度か通って頂きましたがやはり同様で、しかも決まった時間に必ず性格が変化するのです。
アルツハイマー型認知症の不穏状態とは何か異なる印象でした。そのため、アルツハイマー型認知症の診断がどこから出たのかを確認すると、近所のクリニックでした。すぐにでも認知症専門の外来を勧めたいのですが、根拠を把握してからでないとご家族の負担も大きいかというところもあり、アルツハイマーではなくピック病、レビー小体型認知症双方の観点からチェックシートを作成し、行動や言動の変化を探っていったところ、どうやら前頭側頭型認知症の症状が該当するようでしたのでその段階で認知症専門外来を勧め、ケアマネへは事前に認知症チェックシートを渡し、受診時に活用して欲しい旨伝えました。
案の定、診断は前頭側頭型認知症でした。となると、それまで処方されていたアリセプトが逆効果に作用する可能性がある為すぐに中止。逆に、漢方薬の抑感散とリスパダール錠を処方。以後、性格の変化は殆どなくなり、私が在籍している期間は穏やかに楽しんで通所頂く事が出来ました。
対応者の中での対応
通所サービスの役割として、必要なサービスを的確に提供して行く事はもちろん重要な事ですが、加えてご家族様が気が付く事が出来ない部分を専門職の目線から確認していく事も重要です。
今回の件については内服薬の効果、というところでしたが、クリニックを否定するわけでは決してありませんが認知症に関してはやはり、専門的な目線からMRI画像等も確認した上で対応を計って頂くのがベストかと思います。特に、今回に関しては生活にも支障を来している状態ですので、早い段階で適切な情報提供に繋がるよう、ただ「不穏が酷い」ではなく、どんな症状が出ているのかを的確に伝える必要がありました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
今の福祉サービスにおいてはどの分野も共通で「多職種連係」が一つのテーマとなっているようです。
専門職はそれぞれの分野の専門性を活かしてご本人へ介入していく事が重要なのですが、どんな優れた専門職でも、その時だけの状態では確認できる事もごく一部で、その他の生活状況を踏まえた変化などを各支援者が共有して一つの目線をもって支援していく事がいかに重要かという事を改めて自覚する出来事でした。
ですが、ご存じの通り認知症に関しては、進行型の病気でもあり、一時的な改善ではありますが、だからこそ余計に、その時、その時間をしっかりとご本人に満喫して頂くためにもそれぞれが考えて行く事が重要なのではないかと思います。
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