介護施設の事例

施設名: サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅利用者のサービスの違いに対するクレーム事例

対応者

対応者

対応者 看護師

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 A1

認知症の状況 Ⅱa

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

病院とサ高住とのサービスの違いに対するクレーム。

毎日Kさんが不平不満を漏らしていることを訪問看護ステーションの管理者に報告。その後、Kさん本人・長男を交えて、サ高住の管理者、訪問介護サービス担当責任者、訪問看護師、担当ケアマネージャーが集まりサービス担当者会議を開催。病院とサービス付き高齢者向け住宅の違いを、Kさんが理解できるようにイラストを使いながら一つ一つ丁寧に説明していった。Kさんは「ようやく理解できたわ。はじめからこうやって説明してくれれば不満はなかったのよ。ここを自分の家と思っていいなら、お料理はできないし何か趣味をはじめるしかないわね。」と最後は笑顔で理解を示してくれた。サービス提供者側もがん末期で精神不安定なKさんに対し、できる限り声掛け訪問していくという意思統一を示し合わせた。 がん末期のKさんに対して医療保険制度上、毎日訪問に入れる訪問看護師は利用者の思いをリアルタイムで聞くことができ、かつ外部からの訪問スタッフということもあり利用者が本音を打ち明けやすい立場である。毎日訪問しKさんと気軽に話せる間柄になれたことで、Kさんの本音を引き出しサービスを改善するきっかけとなった。

サービス付き高齢者向け住宅の特性を理解してもらえるよう、契約前より繰り返し説明していく。その結果、本人・家族にとって他の高齢者施設が終の棲家として合っていると判断した場合、無理に引き止めず、他の施設も検討してもらえるように提案していく。入居して良かったと思ってもらえるようにより良いサービス向上を目指していく。

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トラブルが起きた背景

Kさんは末期の食道がん患者で、市中病院で保存的外科手術を含む2か月程度の入院治療を受けてきた。入院中に認知症も併発し、独居生活となる自宅への退院が難しいと判断。転院先として、緩和ケア病棟やホスピスも検討されたが「もう病院は嫌」との本人の強い思いと、比較的自立度が保たれている(要介護1)との理由から遠方に住む長男の判断で、終の棲家としてサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)へ入居されてきた。サ高住はいわゆる有料老人ホームではなく「住宅」という性格を持ち、基本的に介護職員や看護職員はそれぞれ訪問介護、訪問看護という立場で予め決められたサービス計画のもと、時間でサービスを提供している。要介護1では実施できるサービスも限られる。この認識を、認知症を発症したばかりの80歳の高齢者に理解してもらうのが難しく、「入院してた頃は毎日のようにマッサージ(PTによるリハビリ)してくれた。先生(医師)だって毎日診察にきてくれた。でもここは誰も来やしない。毎日来てくれるのはお兄さんくらいよ。」と、訪問看護として毎日1時間程度訪問している筆者(看護師)に不平不満をもらす。サ高住は「住宅」であるため、サービス提供時間の多くを割く、要介護4〜5の利用者に介護職員がつきっきりになるのは仕方のないシステム。慢性的な人員不足もあり、文字通り“サービス”訪問するだけの余裕がないのが現実的である。

対応者の中での対応

毎日Kさんが不平不満を漏らしていることを訪問看護ステーションの管理者に報告。その後、Kさん本人・長男を交えて、サ高住の管理者、訪問介護サービス担当責任者、訪問看護師、担当ケアマネージャーが集まりサービス担当者会議を開催。病院とサービス付き高齢者向け住宅の違いを、Kさんが理解できるようにイラストを使いながら一つ一つ丁寧に説明していった。Kさんは「ようやく理解できたわ。はじめからこうやって説明してくれれば不満はなかったのよ。ここを自分の家と思っていいなら、お料理はできないし何か趣味をはじめるしかないわね。」と最後は笑顔で理解を示してくれた。サービス提供者側もがん末期で精神不安定なKさんに対し、できる限り声掛け訪問していくという意思統一を示し合わせた。
がん末期のKさんに対して医療保険制度上、毎日訪問に入れる訪問看護師は利用者の思いをリアルタイムで聞くことができ、かつ外部からの訪問スタッフということもあり利用者が本音を打ち明けやすい立場である。毎日訪問しKさんと気軽に話せる間柄になれたことで、Kさんの本音を引き出しサービスを改善するきっかけとなった。

今後同じ事例が起きた時の対処法

サービス付き高齢者向け住宅の特性を理解してもらえるよう、契約前より繰り返し説明していく。その結果、本人・家族にとって他の高齢者施設が終の棲家として合っていると判断した場合、無理に引き止めず、他の施設も検討してもらえるように提案していく。入居して良かったと思ってもらえるようにより良いサービス向上を目指していく。

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