介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

利用者がヘルパーを忘れて警察を呼んだ事例

対応者

対応者

対応者 サービス提供責任者

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱb

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

利用者がヘルパーを忘れて警察を呼んだ。

ケアマネージャーから事情を説明し、予定表とヘルパーの名札を見せて誤解は解けた。担当をすべて女性ヘルパーにし、予定表に名前と似顔絵をつけた。

訪問予定表には時刻だけではなく担当者の名前を記入し、ヘルパーにも名前がわかる物を持たせておくなど、安心材料を揃えることが重要。

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トラブルが起きた背景

Nさんは独居の女性で、検査によって認知症の症状が見られたため、別居の娘さんの勧めで訪問介護の契約を結びました。

ゴミ出しや洗濯を忘れることが多いため生活援助が目的ですが、Nさん自身は明るくてサッパリした性格。

「何か忘れてたら、どんどん指摘してくださいね」と朗らかに言ってくれたため、複数の担当ヘルパーが交代で入ることになりました。

何事もなく数週間が経ち、ある日男性ヘルパーが時間通りに訪問して入ろうとするとNさんは硬い表情で「誰?」と繰り返すばかり。

「訪問介護の者ですけど」と答えるとNさんは「あんたなんか知らない」「何も買いませんから」と叫んでドアに鍵までかけてしまいました

突然現れた認知の症状に慌てたヘルパーが玄関前で事業所とケアマネージャーに連絡していると、パトカーがNさん宅の前に停まりました。

怯えたNさんが警察を呼んでしまったのです。

対応者の中での対応

幸い、居宅訪問ともに事業所が近くだったので、ケアマネージャーがすぐに到着してNさんの症状を警察にも説明してくれました

Nさんはケアマネージャーさんの顔は覚えていたのでドアを開けてくれましたが「男の人を家に入れたことなんかないのに」とまだ怯えている様子

壁に貼ってある訪問予定表とヘルパーの身分証明書でなんとか警察の誤解は解けましたが、今後も同じ事が続かないように担当ヘルパーは全員女性に入れ替え、予定表に名前と似顔絵をつけることになりました。

娘さんも交えて話し合い、念のためヘルパー全員がNさん、娘さんと一緒に写真を撮って携帯に保存しておくことに。

「写真は個人情報なんですけどね」とケアマネージャーさんは苦笑いしていましたが、何度も警察を呼ばれるよりはと納得してもらいました

初回の訪問時はNさんは全く人見知りをせず、男性ヘルパーにも積極的に話しかけてくれたので、まさか警察まで呼ばれるとは予想していませんでした。

ヘルパーがすぐに事業所に連絡できたので助かりましたが、認知はそこまで進んでいないだろうと関係者全員が軽く考えていたのは痛恨のミスです。

今後同じ事例が起きた時の対処法

人の顔や出来事を忘れる可能性がある利用者の場合は、とにかく何らかの繋がりがあるという証拠を残した方が良いでしょう。

訪問予定表には時刻だけではなく担当者の名前を記入、ヘルパーにも名前がわかる物を持たせておく等、話を聞いてもらうための安心材料を揃えておかないと、顔を忘れてしまった利用者の目には不審者としか映らない可能性があります

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