介護施設の事例
施設名: 小規模多機能型居宅介護
利用者が他利用者から暴言や嫌がらせを受けた事例
対応者
対応者 介護職員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 A1
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が他利用者から暴言や嫌がらせを受けた
謝罪もなく状態を放置している施設に対し、ご家族が地域の包括支援センターに相談
介護サービス中に問題がある場合は事例検討や担当者会議によって今後の対応を検討
トラブルが起きた背景
Tさんは82歳で、脳卒中後遺症のため車椅子状態です。
独居生活でしたが、病気後1人暮らしも限界となり娘さんが引き取ることになりました。
娘さんもお仕事をされており、日々の介護は困難で、宿泊もできる小規模多機能型居宅介護への登録を希望し、週の半分は宿泊の利用をされています。
Tさんは市外からの転入で親しい友人もなく、こちらの施設で友人もできたらいいなと前向きに考えていました。
娘さんには、あまり迷惑をかけたくないと考えていました。
施設に行かれ、最初は施設であったことを、帰宅後嬉しそうに話されていました。
お話しできる友人もできたこと。
車でお花見に行ったこと、踊りのボランティアさんが来てくれたことなど。
この数か月後家人からクレームがありました。
対応者の中での対応
登録し半年経過した頃から、施設の話をあまりしなくなりました。
娘さんから、「お友達と今日は何を話したの?」ときくと、「入院されて会っていない。私も入院したい」などと涙をこぼしながら話されました。
嫌な人から意地悪をされる。
Oさんから嫌な事を言われる。
食事をしていてもその人の席の前になると「この田舎者、来るな」「この席に座るな」等顔を見ると言われる。
との話をされました。
娘さんから施設へ、「母が泣くほどつらい目にあっていることを知っていますか」と確認の連絡が入りました。
施設では、
「Oさんはで性格的にきつく軽度の認知症もあり、見る人見る人に意地悪な発言をされることで有名です。」
「職員に対しては暴言、暴力もある」
とM職員は平然と回答しました。
ご家族は、謝罪どころかその状態を放置している施設に対し、不信感と怒りで地域の包括支援センターに相談をしました。
本来担当のケアマネジャーに相談してよりよく解決をしたかったのですが、小規模多機能の場合はケアマネジャーも同じ施設の人なので外部機関に相談されました。
悪い点は、施設内で一方的な嫌がらせを受けている人がいることについて放置し、そのことが問題であるという認識が管理者、職員にないことです。
今後同じ事例が起きた時の対処法
いつも暴言を言うことが当たり前になり、他の利用者が心痛めることがあっても対応しないことは問題です。
介護サービス中に問題がある場合は、関係者が事例検討や担当者会議を開催し、どのようにケアをしていくかを考えなければいけません。
認知症や性格的な理由で暴言、暴力がひどい場合も、その方のご家族に状況をご説明し、医師への相談を含めどのようにしていくかを考えなければいけません。
疾患から暴言や暴力に至る場合もあり、内服コントロールで本人が楽になる場合もあります。
どの利用者も自立を目標に介護施設を利用されているので、施設利用で身体機能の低下につながることは問題です。
利用者が楽しく過ごし、元気になられるサポートができるケアが重要です。
今回の事例は包括支援センターからの助言もあり、Oさんのご家族へも相談、受診も含め改善策を検討することになりました。
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