介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

利用者が自分の便失禁を認められず妻のせいにした事例

対応者

対応者

対応者 サービス提供責任者

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

利用者が自分の便失禁を認められず妻のせいにした。

利用者2人が同じ家に住んでいる場合、ヘルパーは決められた日にどちらか片方のケアに入るのが鉄則ですが、さすがに目の前の便失禁を無視して奥さんだけのケアに入るわけにはいきません。 今回はケアマネージャーも了承済みのため、入ったその日の状態でHさんの生活援助が必要であればケア変更と、時間延長を事後報告する形にしてもらえたため助かりました。

トイレ関連での失敗を知られたくないのは誰でも同じです。 特に、他の生活面で問題のない人はそれを隠そうとして、ますます酷いことになってしまうという悪循環はよく見られます。 明らかな証拠が目の前にあっても決して追求せず処理するのが基本ですが、今後を考えて緊急の対策を練らなければなりません。 デリケートな問題のため解決法は千差万別ですが、訪問介護だけの問題ではないので、まずはご家族への報告が第一になります。 オムツやリハビリパンツの購入を考えると金銭的な問題にも繋がるため、まずは汚れ物対策と失禁防止、何より利用者さんの気持ちを傷付けないような切り出し方を全員で考えましょう。

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トラブルが起きた背景

Hさんは寝たきりの奥さんと二人暮らしの男性で、オムツ替え等はできないため毎日ヘルパーが入ることになりました。
Hさん自身は外出も買い物もできる人ですが、要支援の判定を受けているためご夫婦とも担当ケアマネージャーは同じでした。
ご夫婦ともに物静かな方でケアにも協力的だったのですが、ある日ヘルパーが訪問すると廊下一面に便失禁の跡があったそうです。
さすがに初めてのことに驚いてHさんに訊ねると「妻がやった」と一言で済まされヘルパーは呆気にとられました。
奥さんは寝たきりの上にオムツなので、便失禁があっても廊下で出すことは考えられません。
何より、ベッドから下ろしてまた寝かせるほどの体力はHさんにはないはずです。
案の定、奥さんの衣服やオムツには便失禁の痕跡はなく、洗濯機の中にはHさんの汚れたズボンや下着が入っていたそうです。
その場で問い詰めることはしませんでしたが、報告を受けてケアマネージャーに相談すると「おとなしいけどプライドの高い人だから自分では認められないのかも」ということで慎重に様子を見ていましたが、週に1回の頻度でそういったことが続き、そのたびHさんは「妻がやった」ことにしてしまうのです。
奥さんも薄々気付いているようで、Hさんの答える声が聞こえた時は「私がやりました」と言うようになっていました。
どう考えても不自然な状況ですが、失禁を人に知られたくないという気持ちはわかるので、なんとか傷付けない方向に持っていこうと関係者全員で額を寄せ合って考えました。
娘さんにも相談し、幸いHさんは要支援判定が出ているため、奥さんの他にHさんのためにも週1回ケアを入れることにしました。
生活援助の掃除と洗濯でヘルパーが入り「ひどい汚れ物はここに入れて下さればそのまま洗います。奥さんの分も入れて大丈夫です」と伝えてみると、Hさんは無言で自分の汚れ物を入れておくようになりました。
失禁の痕跡も掃除という名目で落とすことで、Hさんは言い訳をしなくて済むようになり奥さんのせいにする回数は減りました。

対応者の中での対応

利用者2人が同じ家に住んでいる場合、ヘルパーは決められた日にどちらか片方のケアに入るのが鉄則ですが、さすがに目の前の便失禁を無視して奥さんだけのケアに入るわけにはいきません。
今回はケアマネージャーも了承済みのため、入ったその日の状態でHさんの生活援助が必要であればケア変更と、時間延長を事後報告する形にしてもらえたため助かりました。

今後同じ事例が起きた時の対処法

トイレ関連での失敗を知られたくないのは誰でも同じです。
特に、他の生活面で問題のない人はそれを隠そうとして、ますます酷いことになってしまうという悪循環はよく見られます。
明らかな証拠が目の前にあっても決して追求せず処理するのが基本ですが、今後を考えて緊急の対策を練らなければなりません。
デリケートな問題のため解決法は千差万別ですが、訪問介護だけの問題ではないので、まずはご家族への報告が第一になります。
オムツやリハビリパンツの購入を考えると金銭的な問題にも繋がるため、まずは汚れ物対策と失禁防止、何より利用者さんの気持ちを傷付けないような切り出し方を全員で考えましょう。

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