介護施設の事例
施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)
利用者が退院後に自宅が無数の虫だらけだった事例
対応者
対応者 サービス提供責任者
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J2
認知症の状況 Ⅱa
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が退院後に自宅が無数の虫だらけだったトラブル
普段から家が虫だらけだったのか、たまたま入院が長引いて発生しただけなのかは今も不明
退院直後のご自宅に入る場合、ビニール手袋やマスク程度は複数枚用意して、カビの胞子や虫から身を守る必要がある
トラブルが起きた背景
独居のSさんは、ご自宅で倒れて運ばれた後、病院で軽度の認知症と診断され、初めて介護度とケアマネジャーがついた方でした。
自分に介護が必要とはまるで思っておらず、ケアマネジャーも初対面で、家族構成や人柄などもわからないことだらけです。
入院が3ヶ月と長引き、足の筋力も衰えて独居が不安になったため、退院初日を待って訪問介護に入ることになりました。
ほぼ全員が初顔合わせの状態でご自宅に入ったところ、無人の室内のそこら中から微かな音が聞こえてきました。
恐る恐る居間に入ると、救急搬送時からそのままになっていた食事の残り、買い置きの食料や野菜、そして家具にまで無数のハエがたかり、周囲には正体不明のサナギや幼虫が何百と落ちている状態。
ケアマネジャーとヘルパーが悲鳴を上げる中、Sさん一人が「あらあら虫だらけ」と平然としながら室内を歩いていました。
ひょっとして普段からこういう状態だったのではと、思わずゾッとしてしまいました。
対応者の中での対応
とにかく窓を開けました。
ヘルパー、サービス責任者とともに持参の手袋をしてゴミ袋を探し、なんとか座って字が書けるスペースを確保して契約を済ませた後は、怒濤の虫退治が始まりました。
戸棚や冷蔵庫の中にまで虫が入り込んでおり、ほぼ全ての食料を捨てるしかありません。
なんとか目につく虫は取り除いたものの、卵や幼虫はまだ隠れている状態。
とても約束の1時間では足りず、ケアマネジャーと増回の相談をしていたところ、Sさんはけろりとした顔で
「別にいいわよ〜。一人で暮らせるし」と平気そうな顔でした。
後から聞いた話では、Sさんの娘さんは家には全く寄りつかず、緊急時も一切連絡はいらないと言われたそうです。
「あの親とは話が通じない」と呆れたように電話を切られたのが、ケアマネジャーへの最後の連絡だったとか。
筋力の衰えた体、虫だらけで食料もない家で「暮らせる」と言い放つSさんの認知症は、見た目よりかなり重症かも、と関係者全員が覚悟を決めた出来事でした。
とにかく誰もがSさんとは初対面でほぼ情報もなかったため、普段の暮らしぶりが何一つわからないのが最大の弱みでした。
普段から家が虫だらけだったのか、たまたま入院が長引いて発生しただけなのかは今も不明です。
ご本人は「大丈夫」としか言いませんが、積極的に虫退治をするわけでもなく、腐った食材も平気で棚に戻そうとします。
「入院時は明るくて優しそうな方、程度の印象だったSさんなのに」と顔をひきつらせるケアマネジャーも気の毒でしたが、もう少し事前情報を徹底してほしかったというのが訪問介護側の本音です。
今後同じ事例が起きた時の対処法
入院時は病院側が最低限の面倒を見てくれるし、本人もよそ行きの顔をしているので、退院後からケア開始となると別の顔を見せる方は予想外に多いです。
特に独居の高齢者は自分なりのルールで暮らしてきたので、自宅内での行動は意外に限られています。
何年も開けていない部屋や戸棚、賞味期限を見てもいない食品などもたまにあります。
退院直後のご自宅に入る場合、特に夏場は、訪問側も最低でもビニール手袋やマスク程度は複数枚用意して、カビの胞子や虫から身を守って下さい。
同じ施設での関連事例
新着の介護事例
総合閲覧数ランキング
関連ワードから探す
- アルバイト(11)
- ケースワーカー(20)
- ケアマネージャー(介護支援専門員)(43)
- サービス提供責任者(61)
- その他(19)
- 介護事務(15)
- 介護助手・介護補助(28)
- 介護福祉士(162)
- 介護職員(249)
- 介護職員(ホームヘルパー)(138)
- 作業療法士(15)
- 支援相談員(25)
- 機能訓練指導員(15)
- 歯科衛生士(2)
- 理学療法士(12)
- 生活支援コーディネーター(3)
- 生活支援員(11)
- 生活相談員(14)
- 相談支援専門員(12)
- 看護学生(1)
- 看護師(45)
- 福祉用具専門相談員(3)
- 管理栄養士・調理スタッフ(3)
- 管理者(施設長・ホーム長)(50)
- 臨床心理士(2)
- 薬剤師(3)
- 言語聴覚士(2)
- 運転手(介護ドライバー)(1)