介護施設の事例
施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)
利用者が髪を染めたヘルパーからの介助に抵抗する事例
対応者
対応者 サービス提供責任者
対応者 女性
お相手
寝たきり度 C1
認知症の状況 Ⅳ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が髪を染めたヘルパーからの介助に抵抗した。
各事業所で協力して原因を確かめ、黒髪のヘルパーのみが訪問することにした。
ケアを嫌がる場合は必ず原因があるため、ケア内容や自分の態度、利用者の生活環境を見直すことが重要。
トラブルが起きた背景
Mさんは足腰の筋力低下と体重増加のため日常生活のほとんどに介助が必要な上、認知症が進んでご家族でも言っている内容がわからない方でしたが、毎日のデイサービスだけは楽しみにされていました。
ご家族が仕事に出かけた後、ヘルパーが入って朝食と排泄、更衣を済ませてデイに送り出しをします。
当然一人のヘルパーが毎日入るほどスケジュールに空きはなく、7日間朝夕のケアに事業所3社の合計10人近いヘルパーが交代で入っていました。
そしてある日デイの職員から「通所前の準備にばらつきがある」「前日と同じ服やオムツの時があるけど、ヘルパーは何をしているのか」という連絡が入ってきて事業所3社の責任者全員が驚きました。
調べてみると、各社のヘルパーのうち1人2人ずつが困った様子で訴えを肯定したのです。
「Mさんの抵抗や無視がひどく、行き届いたケアができていなかった」とのこと。
顔をそむけるので朝食介助ができない、ズボンを押さえて離さないためオムツ交換ができない、そのためデイの送迎車が来るまでの時間で更衣介助が全て終わらないという報告が相次ぎました。
呆気にとられたケアマネージャーとご家族がMさんに理由を聞いてみましたが、何を言っているかわからないため理由は不明のまま。
しかし毎日のケアは止められず抵抗は続くので、ケアマネージャーの提案で、抵抗されるヘルパーのリストを各社で作ってみました。
そして驚いたことにそのヘルパー達には共通点があったのです。
髪を長く伸ばしていてその髪色が明るい茶色なこと。
不思議に思って息子さんに聞いてみると、Mさんは元々厳格な家庭に育ったお嬢様で化粧もおしゃれもほとんどしなかったとか。
直接聞いてもハッキリとした答えは得られないため、試しに該当のヘルパーを髪を染めていないヘルパーと交代してみると、Mさんは彼女達には抵抗の意思を見せませんでした。
息子さん曰く「母は昔と今の区別がつきませんし、髪を染めた女性はみんな不良に見えたんじゃないでしょうか」とのこと。
それ以来「Mさん宅に派遣するのは黒髪のヘルパーのみ」という条件が生まれてしまいましたが、各事業所ともようやく抵抗がなくなりホッとしました。
対応者の中での対応
Mさんのお宅は訪問診療やリハビリの他に3社のヘルパーが入るという状態だったので、抵抗される条件を確かめるのに時間がかかってしまいました。
ケアマネージャーが各ヘルパーの共通点を見つけることを思い付かなければ、全社が手を引いていたかもしれません。
明確な理由は未だにわからないままですが、重い認知症の利用者さんは思ったことを筋道立てて伝えることが困難なので、少しでも安心できる要素を見つけられたことは良かったです。
今後同じ事例が起きた時の対処法
立つことさえ難しい高齢者の中には、嫌だと思っても生活のために仕方なくケアを受け入れている人もいます。
口に出さない人も多い中、ヘルパーに抵抗を示すというのは嫌がるだけのかなり強い理由があるということです。
まずはケア内容、自分の態度、利用者の生活環境や人となりを見直すことが必要だと思います。
何より病気を抱えている人もいるため、薬や担当医の影響も出ることがあります。
そのためにも常に報告はきちんと行い、どんな事態にも連携がとれるだけの情報を残すことが大切です。
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