介護施設の事例
施設名: 通所リハビリテーション(デイケア)
理学療法士のリハビリが厳しすぎて家族から苦情が入った事例
対応者
対応者 理学療法士
対応者 男性
お相手
寝たきり度 J2
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
理学療法士のリハビリが厳しすぎて家族から苦情が入った
別の通所リハビリセンターに移動された
利用者の心身状態に合わせてリハビリを行う
トラブルが起きた背景
Nさんは脳出血の後遺症による片麻痺があります。
若い頃から働き者で負けず嫌い、何事も前向きな性格です。
1年前に病気を発症し、右片麻痺で4点杖歩行をされています。杖がないと転倒のリスクが高い状態です。
自ら理学療法士によるリハビリを希望され、通所リハビリセンターへ通うようになりました。
サービス開始前の担当者会議でも、Nさんは「厳しくても元の体に戻りたいから一生懸命頑張ります」と話されていました。
しかし、リハビリを始めて1年が経過した頃、リハビリがきつい、理学療法士からきつく言われる、言われてもうまくできないと自宅で泣いてしまうことが増えました。
Nさんが、「うまくできないから休憩をしたい」と訴えても、理学療法士から「やる気がないなら今日はやめましょう」と言われ、途中で終わることが何度もあったとのことでした。
娘様はNさんが病気の発症後も前向きに頑張っていたことをよくご存じで、「体調が優れない日もあるのにリハビリが厳しすぎて、母が萎縮しておりかわいそう」との苦情が入りました。
対応者の中での対応
Nさんはリハビリを担当していた理学療法士を拒否し、通所リハビリセンターの変更をケアマネージャーに相談しました。
その後、別の通所リハビリセンターでリハビリを再開されました。
Nさんは高齢で、ご病気もあり日々の体調は異なります。
理学療法士が、本人の状態をよく確認しないまま、「今日はここまでのメニューを行ってもらう」という意識が強く、利用者本位のリハビリができていなかったことが、良くなかったと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
リハビリには筋力を高める訓練や挙上訓練、立ち上がりや杖を使用しない歩行訓練など、様々なメニューがあります。
事前にメニューを理学療法士が決めていたとしても、利用者の心身の健康状況に合わせてメニューを変更することや、休憩を希望したときには無理をせず、安全にリハビリを行うことが重要です。
また、コミュニケーションにより利用者のやる気を低下させてはいけません。
リハビリにおいて利用者との信頼関係はもっとも重要であるため、自分本位のリハビリ指導ではなく、利用者に合わせて指導を行うことが必要だと思います。
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