介護施設の事例

施設名: 訪問リハビリテーション

認知症の夫と同居していた妻がうつ病を患った事例

対応者

対応者

対応者 ケアマネージャー(介護支援専門員)

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況 Ⅱa

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

認知症の夫と同居していた妻がうつ病を患った

訪問医師の介入により、妻の精神科病院への入院が決定

ケアマネジャーとして利用者家族にコミュニケーションを取ることも必要

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トラブルが起きた背景

3年ほど前から軽度の認知症を患ったHさん。
妻はHさんの介護に献身的で、介護福祉士の資格を取り、介護施設で介護士として働きながらHさんの介護をしていました。

今から1年ほど前からHさんは被害妄想やせん妄が強くなり、妻に対して易怒性となったり、何かにつけて妻を疑うようになっていました。
それでも介護の仕事を続けながら、自宅でもご飯や衣類の用意等、献身的な介護を続けていました。


そんな中、Hさんが妻の仕事場で利用者様に暴力を振るったり、攻撃的な態度を取り、職場の上司に注意される出来事が起きてしまいました。

この出来事があってから今まで献身的な介護を続けていた妻の介護が粗雑となり、自宅の掃除も食事の準備も中途半端な状態になり、Hさんの体重が減少、易怒性が強くなる様子が見られ、近所の方から大きな怒鳴り声で苦情が来るようになってしまいました。

対応者の中での対応

Hさんの妻には傾聴をして対応していましたが、私や私以外の担当スタッフ(ヘルパーや訪問リハビリスタッフ)に相談もなく経過していました。

担当する周りの人間は、このまま2人の生活は難しいことが分かっていましたが、妻を精神科に無理やり連れて行くこともできず精神科受診の提案をし続けていました。

Hさんが軽度の心疾患を抱えることになり、訪問診療として医師が自宅に来るようになってから医師が主導となり、妻の精神科病院への入院が決まりました。

うつ病に対する薬物治療を終えるまで、Hさんはショートステイを利用することとなりました。
その後妻が無事退院し、妻の仕事量の調節をしながら、現在は今まで通りHさんと妻の2人暮らしを続けています

妻がうつ病の傾向にあることは周りのスタッフは十分に理解していましたが、精神科受診の提案にとどまってしまっていました
また、うつ病という自己判断が難しくなる病の方に提案をし続けたことで、精神的に追い詰めていたことが考えられます。

医師が妻の精神疾患に対して入院措置を取ったことで妻の精神状態に安定が得られ、Hさんの介護も献身的にできるようになりました。
今回訪問診療の医師の対応がなかったら共倒れとなっているところでした

今後同じ事例が起きた時の対処法

ケアマネジャーとは、担当している利用者様(今回はHさん)に対して、サービス調整や困ったことへの対処をするのが仕事です。

しかし利用者様のご家族様も、仕事と介護の両立というとても難しいことを毎日行っており、精神的な負担はとても大きなものになるはずです。
今回はHさんの献身的な介護と、仕事を完璧にこなしたいけどこなせないこと、が大きなストレスとなり、妻が誰にも相談できていなかったことがうつ病になった一つの要因と考えられます。

あくまでもその家庭内のことなので、あまり深入りできないと遠慮してしまうことではあります。

ですが、利用者様の日常をフォローする意味でもご家族様へのコミュニケーション、困っている事などに耳を傾け、一緒に考える姿勢などがとても大切なことに改めて気づかされた出来事でした。

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