介護施設の事例

施設名: 特別養護老人ホーム

認知症の方が汚物を自室床に撒く事例

対応者

対応者

対応者 ケアマネージャー(介護支援専門員)

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 A2

認知症の状況 Ⅲb

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

認知症の方が汚物を自室床に撒く。

すぐに施設長へ報告し、施設の建物を損傷させたということで床材の取り換え工事費用負担をご家族にしてもらうことになりました。ご家族は「大変申し訳ありません。」とこちらの説明をすぐに受け入れ工事費用の8万円をご負担されることに。 しかしUさん本人の行動は変わらないので対策が必要でした。さまざまな対策案が考えられましたが決定的な対策は思いつかない状態で経過。 ある時他職員が「水流式のポータブルトイレがあるよ」と教えてくれました。この水流式のポータブルトイレは普通のポータブルトイレのように桶を外して処理をするのではなく、内部のタンクに汚物を溜める仕組み。このタンクを取り外す動作はUさんにはとてもできそうにない仕組みでした。チーム内で検討した結果、効果が期待できそうということで導入することになりました。 水流式のポータブルトイレを導入して良かった点は、Uさんがポータブルトイレの中身(汚物)をご自分で処理する行為が無くなったということです。 その反面悪かった点は、内部タンクの汚物を処理する作業が面倒くさいこと。 あと変わらなかった点としては、居室内の臭い問題が改善されなかったことです。これはUさんのポータブルトイレの蓋を閉めないという行動が原因です。

今回の水流式ポータブルトイレ導入の対策はかなり効果がありました。今後同じことが起こっても、同じようにポータブルトイレ自体を他のものへ変更することを検討すると思います。今回はご家族に床材の取り換え工事費負担の件をすぐにご理解していただけたので良かったですが「あんたらがちゃんと見てないから床が腐ったんだろ!」とこちらのケアに対して不信感を抱いてしまうようなトラブルに発展する可能性もありました。 そのようなことにならないようご自分でポータブルトイレの中身(汚物)を処理しようとされる場合以外にも、居室内の設備が破損する前に対策していきたいと思います。また、臭い対策のできるポータブルトイレの導入も今後検討した方が良いと思っています。

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トラブルが起きた背景

Uさんはアルツハイマー型認知症で、移動は車椅子での自力駆動。食事やトイレへの移乗動作、排泄後のトイレットペーパーで拭き取る動作もご自分でできる方です。認知症のためトイレに行ったことをすぐに忘れてしまうので、ひどい時はトイレから出てすぐに隣のトイレに入る場面も多々あります。
一見自分のことは自分でできる方なのでそんなに問題がないと感じますが、ご自分でできるからこそ認知症によるトラブルが生じてしまいます。
それは自室ポータブルトイレの中身(排泄物)を自室の床に撒いてしまうということです。
撒いてしまう箇所は固定されているので、ナイロンのシートをその箇所に敷き汚れてもシートを交換すれば良いという環境にしました。ただその箇所はベッドと壁の間なので交換作業はとてもしづらいものでした。もちろん部屋には排泄物の臭いが充満しています。その臭いもだんだんキツくなっていくので改めて居室内を観察すると、居室内の床材の隙間から汚物が染み込んでいる箇所があり床材が腐って真っ黒になっていました。

対応者の中での対応

すぐに施設長へ報告し、施設の建物を損傷させたということで床材の取り換え工事費用負担をご家族にしてもらうことになりました。ご家族は「大変申し訳ありません。」とこちらの説明をすぐに受け入れ工事費用の8万円をご負担されることに。
しかしUさん本人の行動は変わらないので対策が必要でした。さまざまな対策案が考えられましたが決定的な対策は思いつかない状態で経過。
ある時他職員が「水流式のポータブルトイレがあるよ」と教えてくれました。この水流式のポータブルトイレは普通のポータブルトイレのように桶を外して処理をするのではなく、内部のタンクに汚物を溜める仕組み。このタンクを取り外す動作はUさんにはとてもできそうにない仕組みでした。チーム内で検討した結果、効果が期待できそうということで導入することになりました。
水流式のポータブルトイレを導入して良かった点は、Uさんがポータブルトイレの中身(汚物)をご自分で処理する行為が無くなったということです。
その反面悪かった点は、内部タンクの汚物を処理する作業が面倒くさいこと。
あと変わらなかった点としては、居室内の臭い問題が改善されなかったことです。これはUさんのポータブルトイレの蓋を閉めないという行動が原因です。

今後同じ事例が起きた時の対処法

今回の水流式ポータブルトイレ導入の対策はかなり効果がありました。今後同じことが起こっても、同じようにポータブルトイレ自体を他のものへ変更することを検討すると思います。今回はご家族に床材の取り換え工事費負担の件をすぐにご理解していただけたので良かったですが「あんたらがちゃんと見てないから床が腐ったんだろ!」とこちらのケアに対して不信感を抱いてしまうようなトラブルに発展する可能性もありました。
そのようなことにならないようご自分でポータブルトイレの中身(汚物)を処理しようとされる場合以外にも、居室内の設備が破損する前に対策していきたいと思います。また、臭い対策のできるポータブルトイレの導入も今後検討した方が良いと思っています。

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