介護施設の事例

施設名: 有料老人ホーム

認知症の方が職員が窃盗したと疑う事例

対応者

対応者

対応者 介護福祉士

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況

性別 女性

事例・対処法の要点まとめ

認知症の方が職員が窃盗したと疑った。

その利用者の担当から外れたことで、追いかけてまで文句を言うことはなくなった。

医療関係者やご家族も含めて対応することが、結果的にその方のためにもなり、介護職員を守ることにつながる。

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トラブルが起きた背景

Aさんから、居室に訪問した際、臨時で洗濯をしてほしいと頼まれました。

玄関先に現金200円と、洗濯籠に入った衣類が置かれていましたので、施設併設のコインランドリーにて洗濯・乾燥後、洗濯物を返却して退室しました。

その1週間後から、Aさんが「U職員が部屋に入ってきて私のお金を取って行った」と言い出し、その後も「テーブルに置いたリモコンの位置が変わっている」「私はいつもここに置くのにおかしい」と話し始めました。

ご家族が来所された際には、季節の衣替えなどタンスの整理をしてくれたのですが、「タンスの中が変わっている」「畳み方がおかしい」「U職員が入ってきて勝手に私の物をいじっている」「お気に入りのワンピースが無い」「U職員がリサイクルショップに持って行きお金に変えている。 私をいじめてそんなに楽しいのか」と怒ってしまいました。

仏壇にあったお金をご家族が持ち帰った際も、「U職員が取った」とお話されるので、「ご家族が持って帰りました」と伝えましたが「そんな話聞いていない、嘘をついている」と信じていただけません。

ご家族からお金を預かった旨をお話し頂くも、同じことの繰り返しでした。


他の階の担当をしていても、車椅子を自走して追いかけてきて「U職員を成敗してやる」と言い、他の利用者の前で「あいつは盗人だ!」と大声で話されます

電話にてご家族に仲裁を頼みましたが、無視されてしまいました。

居室に伺いお話を傾聴するも、AさんはU職員の話を全く聞き入れません

「盗んだ物を返せ」や、「お前をここに居られなくしてやる。 私の主人は警察官だったので私には分かる、お前は盗人だ」とU職員の人格を真っ向から否定し、さらに職場に居られなくしてやるなど、書くことすら怖いと思う話を30分聞かされました。

当日出勤していた施設長・ケアマネージャーに報告をして対応して頂きましたが、施設長・ケアマネージャーは私の敵だ!あいつの肩ばかり持つなら出ていけと居室より追い出されてしまったそうです。

仕事に支障が出るようになってしまったため、他のヘルパーさんにお願いし、Aさんのお部屋(Aさん居室)には行かなくなりました

他の職員にはU職員の文句をひたすら話していましたが、以前のように追い掛け回すことは無くなりました

対応者の中での対応

ケアマネージャーも理解を示しており、夜間の巡視を朝・夕の2回にして頂いたことで、仕事を続けられています。(ご家族も了承してくれた)

出勤する度に同じようなことが起こったことでノイローゼになり、離職まで考えていました。 3ヶ月程耐えましたが流石に限界がきており辛かったです。

U職員がAさんのところに行けないことで、他職員の仕事を妨げてしまった点は悪かった点だと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

その後、施設長、ケアマネージャー、U職員、ご家族、Aさんで面会室で話し合いの機会を設けました。

預かったお金のことやお気に入りのワンピースは捨てて良いとAさんが話した為、ご家族側で廃棄しました。

衣替えでタンスの中を整理し、Aさんも見ている中で行ったことなどを話すも、その時は勘違いであったと認めました

個人で対応するのは難しいケースだと思います。

自身の名誉や人格を守るためにも恥だとは思わず、病気だと片付けられないために医療関係者やご家族も含めて対応した方が、結果的にその方のためでもあり介護職員を守ることにも繋がります

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