介護施設の事例
施設名: 生活介護
強度行動障害の方が苦手な人物に対し危害を加える事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 わからない
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
強度行動障害の利用者が苦手な人物に対し、危害を加えてしまった。
苦手な人物からは距離を取り、相性の良い利用者と作業ができる環境を整えた。
利用者本人にアプローチするのではなく、環境に着目することが重要。
トラブルが起きた背景
Kさんは強度行動障害の為、様々な部分に強いこだわりがあります。
特定の人物の声に過敏に反応して怒って身の回りの物を投げ、部屋の扉を蹴って壊すことがよくありました。
同室の利用者との相性はそこまで悪くありませんでしたが、向かいの生活介護の部署に苦手な利用者が複数名おりました。
トイレも向かいの部屋と共同であった為、トイレの度に大声で暴言を吐いて、周囲の利用者に危害を加えることがありました。
本人に対する声掛けや、対象の利用者へ注意をしても全く効果がなく、支援者の私も疲弊していました。
そこで思い切って部屋の大移動を提案しました。
多動が多く活発な利用者から離れたところに新たな部署を作り、Kさんと相性の良い利用者だけで活動できる空間を提供しました。
その結果今まで毎日怒って暴れていたKさんはすっかり落ち着き、自身のペースで活動することができるようになりました。
トイレも気にせず利用することができる為、支援者の負担も軽減されました。
Kさんは現在も毎日落ち着いて過ごすことができています。
対応者の中での対応
人的環境から物的環境へと対策を変えることができた点が良かったです。
今まではKさん本人や、Kさんが対象としている人物に対して着目していましたが、強度行動障害の為、他の利用者のような対応ではうまくいかないことが多いです。
視界を遮っても音が聞こえてしまえば意味はなく、声掛けは全く効果がありません。
「苦手な人から遠ざける環境を提供する」という考え方に変えたところが改善につながったと思います。
また、あえて個別対応をとらず相性の良い人物とは引き続き一緒に活動するという部分は、Kさん自身の社会性向上にもつながるので必要な対応だと思います。
今後同じ事例が起きた時の対処法
強度行動障害の方は音や食べ物、人物など様々なことに対して非常にこだわりが強いです。
食べ物に関しては「苦手な食べ物をはぶく」という対処がまず思い付きますが、人物に関しては困っている当事者本人にアプローチをかけてしまいがちです。
例えば声を掛ける・パーテーションを立てるなどという対策がありますが、強度行動障害の方のこだわりはとても強いので、その対策はあまり効果がありません。
なぜなら音にも過敏に反応するので、苦手な人物の声が聞こえてしまう環境にあればその対策はその場しのぎにしかなりません。
強度行動障害の人を支援する時は、物的環境に着目すると上手くいくことがありますので、着目点を大きく変換することが重要と言えます。
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