介護施設の事例
施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)
ヘルパーが入った日に利用者宅浴室の部品が壊れた事例
対応者
対応者 サービス提供責任者
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅰ
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
ヘルパーの訪問後、浴室の部品が壊れていると連絡があった。
ヘルパーの過失か老朽化による破損か区別がつかず、原因はわからなかった。息子さんの提案で浴室自体を改修することになった。
ケアの前後で室内のチェックをきちんと行うことが重要。
トラブルが起きた背景
Oさんは、足腰も認知力もほぼ問題がない独居の女性ですが、家族が遠方にいるのと、少し歩いた時の足の痛みを気にされ、週一回ヘルパーに入ってもらうことになりました。
Oさんが自分でやるのは難しい浴室やトイレの清掃が主なケア内容で、その日もヘルパーは浴槽を掃除して普段通りケアを終わらせました。
数時間後に「浴槽のプラスチックの部分が壊れたみたいなんですが」と、Oさんから事業所に電話がかかってきました。
さすがに携帯や写メはOさんも使えないため、慌てて事務所にいたスタッフがOさん宅に行ってみると、確かに浴槽にお湯を入れる給排水溝の小さな部品が欠けているのがわかりました。
弁償のことも考えて担当ヘルパーに連絡を取りましたが、彼女は普通に掃除をしただけで壊した覚えはないと言い張ります。
確かに、壊したら報告が上がるはずだしと考えましたが、Oさん曰く「あの日浴室に入ったのはヘルパーさんだけです」と譲らない構え。
悪いことに、Oさん宅の浴室はかなり古く、欠けた部分も力を入れたから割れたのか老朽化したから割れたのか、全く区別がつかない状態だったのです。
証拠もなく状況もわからず、欠けた部品も見当たらずという八方ふさがりの中、事業所側でも部品の替えを探してみましたが、型があまりに古すぎてどこにも置いていないということで、関係者全員が頭を抱えてしまいました。
そこへ事情を聞いたOさんの息子さんから「そんなに古いなら、危険だから浴室ごと新しくしましょう」と天の一声。
そしてOさん宅の工事が始まり浴室は最新のものになったのですが、Oさんからは「こんな面倒なことになるなら掃除はしなくてもいいです」とケア内容変更の依頼があり、今は買い物だけをヘルパーが行うようになりました。
対応者の中での対応
結局、どうして部品が壊れたのか真相はわからずじまいですが、当日掃除に入ったヘルパー自身も「私が帰る時は壊れていなかった」とは自信を持って言うことはできなかったそうです。
もっと前から欠けていたのではという問いに対してOさんも「前の日はどうだったかまで覚えていない」と自信のない様子でした。
ケアに入る場所の物の位置や状態をヘルパーにしっかり確認させなかったのが、事態をややこしくした原因かもしれません。
今後同じ事例が起きた時の対処法
利用者さん宅で料理や掃除をする時は、使った物は元あった場所にきちんと戻すのが鉄則です。
同時に、入った現場の状態や必要器具の過不足を確認しておかないと、今回のように何かが壊れたり無くなった時に全員が混乱することになってしまいます。
ヘルパーの明らかな過失により物が壊れた場合の対処は事業所によって違いますが「自分が最後に見た状態はどうだったのか」をはっきり証言できるように、ケアの前と後はその場のチェックをしっかり行うようにしてください。
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