介護施設の事例
施設名: その他
利用者が他者の世話を焼くことで喜びを感じる事例
対応者
対応者 生活支援員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 Ⅱb
性別 女性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が他者の世話を焼くことで喜びを感じる
利用者の行動に注意しつつも、良いところを褒めた
認められたい気持ちを抑え込むと反動が出る。良い点を伝えて自己肯定感を高め、信頼関係を築く
トラブルが起きた背景
Tさんは自分よりおとなしい利用者に対して、命令したり意地悪することがよくあります。
また世話好きな一面もあり、Tさん自身もそれをコミュニケーションの1つとして行っているのですが、相手が嫌がっていても一方的に世話を焼いてしまうので、トラブルになることが頻繁にありました。
しかし世話を焼くことで喜びを感じている部分もあるため、Tさんの行動を一方的に制御するのはよくないと思ったMさんは、Tさんの行動に対してその都度「◯」と「×」を伝える対策をとりました。
「◯」を伝える時は「今の良かったね!さすがTさん!」と褒め、「×」の時は「今のは×!◯◯さんは嫌がっていました!」と伝えるようにしたのです。
定着までには2か月かかりましたが、現在少しずつ学習することができており、「相手が嫌がった時はやめる」と自分で制御できるようになってきています。
対応者の中での対応
Tさんの行動に注意しつつも、良いところをしっかり褒めるという対応が良かったと思いました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
全ての利用者に通ずることですが「認められたい」という気持ちが強い為、それを一方的に抑え込まれるとかえって反動が出てしまうことがあります。
利用者の行動を全て否定的にとらえてしまうと、あれもこれもダメと結局注意ばかりしてしまうことになります。
それでは自己肯定感がなくなっていく一方で、信頼関係も築けなくなってしまいます。
今回のようにいいところにも着目し「◯」であることを伝えると、利用者の中で肯定感が高められます。
また「◯」と「×」は「良い」と「悪い」が非常に明確である為、伝わりやすいです。
知的障害が重たい利用者には「これは褒められたけど、これはダメだった」という出来事を何回も経験してもらい、徐々に積み重ねてすり込ませる方法も対策の1つです。
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