介護施設の事例

施設名: 小規模多機能型居宅介護

利用者が勘違いした他者から執拗に付きまとわれた事例

対応者

対応者

対応者 介護職員(ホームヘルパー)

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J1

認知症の状況 わからない

性別 男性

事例・対処法の要点まとめ

利用者が勘違いした他利用者から執拗に付きまとわれ怒ってしまった。

傾聴し、気持ちを落ち着かせた。他利用者を別室に誘導して距離を取った。

利用者の行動を把握し、先回りして対応することでトラブルを未然に防ぐことが重要。

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トラブルが起きた背景

普段Oさんはとても温厚で、他の利用者さんとの関係も非常に円満かつリーダーシップもあって、介護職員から見ても本当にありがたい存在です。

身体的には自立されていてなんでもご自分でできるし、歩行に関してもほぼ問題なく遠くからの見守り程度でまったくと言っていいほど手のかからない利用者さんです。

ただ1点だけ、入所理由がご家族(奥様)への暴力、暴言があったようで、奥様と2人暮らしなので奥様のほうが恐怖を感じてしまい一緒に住めないということのようです。

時々気分が落ち込んでしまうこともあったり、突然(もちろん理由はありますが)激高されて顔色が豹変し怒りをぶちまけるということがありました。

他の利用者様がOさんの居室に入ってこられたり、触られたりすると激高してしまうようです。

今回も他の利用者さん(女性、認知症)がOさんに近づいていき肩を叩いたり、亡くなられたご主人様と勘違いし何かと世話を焼こうとするように話しかけたりしました。

すると突然Oさんが声を荒げて、「何をするんだ、叩くんじゃない、なんなんだ貴様は」と始まり、取っ組み合いが始まりそうになってしまったので職員で制止し、Oさんと女性利用者さんを引き離し落ち着かせるよう努めました。

女性利用者さんは何が起きているのかまったく理解されておらずあっけらかんとしており、そんな態度もOさんには余計腹立たしく思え余計興奮されるので、女性利用者さんは別室に連れていき姿が見えないように一時的に避難させました

10分程度たったところで、Oさんは他の利用者さんや介護職員とお話ししたことで落ち着きを取り戻しました

ほとぼりが冷めたところで女性利用者さんをフロアに戻して、なるべくOさんから距離の離れたあまり見えない場所へ座っていただきそれぞれが落ち着かれ事なきをえました。

対応者の中での対応

今回はOさんが怒り始めてしまった後からの対応になってしまいました。

Oさんにはとにかく落ち着いていただけるよう、Oさん曰くちょっかいを出した、暴力を振るった(肩を小突いた)女性利用者さんをとにかくOさんの視界に入らないようにしました

そして、Oさんのお話を傾聴し落ち着かせるようOさんの言い分をひたすら肯定し、喧嘩をしても解決しない、暴力に暴力を重ねてもしょうがない等粘り強くお話を伺いました

またそばにいた他の利用者さんも交えてOさんをなだめるということをしたり、わけのわからない人相手に怒ってもしょうがないということをひたすら言い続け、落ち着いていただけました。

以前から女性利用者さんがOさんに対して亡くなられた旦那様と勘違いされて近づいていき、わけのわからないことを言い出したりする場面があり、その度にOさんが嫌な顔をされているのを普段から見ていました。

女性利用者さんの行動に対する対応が事前にできていなかったことがこういう結果につながったのだと思います。

基本的にはOさんに近づく前に、女性利用者さんの気持ちがそちらにいかないように個別に対応できればよかったのですが、その時は人手が足りず、女性利用者さんに付き添えなかったのが原因だと思います。

24時間その女性利用者に張り付くことは不可能ですが、その女性も24時間そういう行動を起こすわけではありません。

決まった時間帯に起こす傾向がある等もっと女性の行動把握をし、決まった時間帯に起こすのであれば、その時間帯だけは要注意し個別対応する等の対策をとっていかなければいけないと思います。

今後同じ事例が起きた時の対処法

起こる前に女性利用者さんの行動把握をし、Oさんにちょっかいを出しそうな気配を感じたら先回りして他に興味をそらすように職員がついて対応するのが良いと思います。

女性利用者さんにしてみれば自分の旦那に話しかけてる世話を焼いていると思われていることなので、それを悪いこと、ただ引き離すという対応は違うと思います。

一番ベストなのは皆がワイワイと楽しく過ごせるという状態だと思うので、Oさんの恐怖心を取り除いてあげることや女性利用者さんにも旦那様への気持ちを忘れさせ、他に興味の対象を持っていただけるような気持ちの誘導をしてあげられれば良いのかと思いました。

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