介護施設の事例
施設名: 小規模多機能型居宅介護
利用者が施設内の備品を大量に持ち帰る事例
対応者
対応者 介護職員(ホームヘルパー)
対応者 女性
お相手
寝たきり度 J1
認知症の状況 わからない
性別 男性
事例・対処法の要点まとめ
利用者が施設内の備品を大量に持ち帰る。
職員が声をかけたのちにカバンから出し、持ち帰らないでほしいと繰り返し伝える。
利用者の自尊心を必要以上に傷つけないような言い方で繰り返し伝えていくことが重要。
トラブルが起きた背景
Iさんは特に大きな疾病もなく比較的自立されている独居の男性です。
歩行は若干不安定な部分があるので見守り程度で、認知レベルも日常会話もある程度でき自立度も高い方だと思います。
少し前までは家事は自分で全て行っていたのですが、最近は私共が食事の管理(買い物、冷蔵庫内のチェック)を行っております。洗濯はまだご自分でできています。
理解度、認識度も若干落ちてきているというレベルです。
この方の困りごととして、施設内にあるペーパー類を大量に持ち帰って行かれるということがあります。
1日おきにデイ利用されるのですが、毎回カバンには大量のペーパー(50枚程度)が入れられているのです。
職員の間で発見した際は、とても言いにくいのですが、これは施設で使うので戻しておきますよと声がけをしてカバンから抜くようにはしています。
ただ全ての職員がそれを行うわけではなく、見て見ぬふりをする職員もおり、周知徹底していないこともあり毎度繰り返して言ってもカバンにペーパーが大量に入っている状態です。
対応者の中での対応
荷物のチェックをする職員が、人によってはご本人に声がけしたのちカバンから抜いていますが、ご本人から「自分のものだ」と主張され激昂されるという場面もあります。
何度言ってもカバンの中に入れて持ち帰ってしまうのですが、こちらも根気強く何度もこれは駄目ですよを繰り返しているという状況です。
良かった点は、この方以外にもペーパー類をポケットに入れてしまう方が複数おり、そういった方にも同じようにペーパー類を返していただく、戻していただくように伝えるというルールができたことです。
悪かった点は、今まで見て見ぬふりをしていたことで、ちょっとくらいなら許容範囲なのではないかなど人によってルールが明確になっておらず、コスト意識が低かったことです。
いくら利用者様本位にということでもこれに関しては窃盗と同じなわけなので、許容するようなことではなくしっかり利用者様に言うべきことの線引きができました。
今後同じ事例が起きた時の対処法
伝え方は難しいですが相手によって理解、認知のレベルが違い私たちと同じようなレベルではないので、正論を振りかざすだけではなく言い方のテクニックは必要だと思います。
利用者様の自尊心を必要以上に傷つけないような言い方で繰り返し伝えていくしかないと思います。
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