介護施設の事例
施設名: 有料老人ホーム
有料老人ホーム介護職員なし
対応者
対応者 介護職員
対応者 女性
お相手
寝たきり度 A2
認知症の状況 Ⅳ
性別 女性
トラブルが起きた背景
Nさんはかなり進行した認知症で、歩行はシルバーカーで行っていましたが、排泄・食事・入浴等はほぼ全介助でした。食事は本人の食欲が衰えていないことから進んで行っており、排泄も、特に目立った拒否なく行えていたのですが、こと入浴に関しては拒否がひどく、全く手に負えない状態でした。問題は介助に対しての拒否というより「服を脱ぐこと」「入浴すること」に対して激しい拒否反応があることです。それ故に介助の人を変えても時間を変えても方法を変えても効果はありませんでした。浴場に着き、脱衣になると「殺されるー!」と脱衣所の外まで響く声で叫ばれる為、近くの廊下を歩いていた他入居者様がマイナス感情を抱き、不穏に発展する…という悪循環。脱衣のお手伝いをしようとしても殴られ蹴られ引っ掻かれ…といった具合で、介護士側も手をこまねいてしまっておりました。しかしある日、浴場へNさんをお連れし、脱衣のお手伝いをしていた時のこと。お連れする前にレクリエーションで合唱を担当していた私は、いつものように大声で叫ばれているNさんに負けないくらいの声で民謡を歌いはじめました。Nさんの怒号を聞こえないふりして歌いながら脱衣のお手伝いをしていると、驚いたことにNさんが一緒に歌い始めたのです。しかも笑顔で。そのまま歌っていると、なんとすんなり脱衣に成功し、さらには入浴、着衣もスムーズに行えたのです。それからは、その日あったことを施設内で共有し、Nさんが好きな歌を入浴中、介護士が歌うようにしたところ、毎回スムーズとまではいきませんが、笑顔で入ってくれる日が格段に増えました。入居者様の好みを把握し、それを介助に落とし込むことも大事だと勉強になりました。
対応者の中での対応
今回の解決方法は偶然の発見でしたが、入居者様を少しでも明るい気持ちにさせたいと思い行ったことだったので、その気持ちが実を結んだ点は良かったかと思います。好みを把握しきれていない、理解してあげられていないといった点では自分の勉強不足が目立ったため、悪い点でした。
今後同じ事例が起きた時の対処法
汎用的な人を変え、時間を変え、では対応しきれない入居者様で、介護士が手をこまねき、他の介助方法を探らなかったことが問題点でしたので、人は一人一人違うことを認識し、似たようなケースでもその人によって介助方針を柔軟に変えていくことがより良い結果に繋がる近道だと思います。その人が何をしている時が一番楽しそうなのか、などを日常生活でよく見て把握しておくと、拒否行動があったときにその人に合ったアイディアが出るかもしれません。まずはトライアンドエラー。とにかく色々試してみることだと思います。
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