介護施設の事例

施設名: 通所介護(デイサービス)

通所介護(デイサービス)管理者(施設長・ホーム長)慢性閉塞性肺疾患

対応者

対応者

対応者 管理者(施設長・ホーム長)

対応者 男性

お相手

対応者

寝たきり度 B2

認知症の状況 Ⅲb

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Sさんは入院する前からだいぶ高齢で、その当時僕は通所リハビリテーションで仕事をしていたのですが、ご本人のご利用に関しては主体がレスパイトに偏っている状態でした。そんな矢先に持病のCOPDが悪化により入院。こちらとしては今回の入院をきっかけに、生活支援が主体であるデイサービスへの移行を進める方向で考えておりました。居宅さんへはその前から相談はしており、あとはタイミングを探っておりました。

もっとも、状態が改善することも難しく、案の定退院するころにはADLが全介助状態。要介護4だった認定は変わりませんでしたが、本人から発する言葉も殆どない状態でしたので、サービス内容は入浴、排泄、食事と静養の4点がメイン。これであればむしろリハビリの制約があり生活支援が行き届かないよりも充実したサービス提供を図れるデイサービスに切り替える方がご本人、ご家族ともメリットは高いのではないかと提案しました。ところが。
ご家族様からは、長く好んで通っていた場所であり、本人の意識がある状態の時に本人からも最後までリハビリをしたいと言っていたとの事で、事業所側の意見とは食い違う形となりました。
正直なところ我々もリハビリ重点型でしたので入浴設備もリフト浴がないわけではないのですが、台数や職員数の制限もありまた、その中で介護面に時間を要してしまう事がその他のリハビリ実施者のサービス提供にも関連してしまいます。
そもそも、勧めていたデイサービスも当事業所と建物は一緒で、玄関から右手側がデイケア、左手側がデイサービスという配置だったのでおそらくご本人にも違和感はなかったでしょう。
このころから通所リハビリテーションの在り方はだいぶ変わってきておりました。従来型の通所リハは基本単価がガッツリと下がり、逆に回転率を上げる事で加算がプラスになるというもので、この方に限らず他にも特に長年通所されている利用者さんの今後が大きな課題の一つではありましたが、当然状態が安定しない場合は来所してもリハビリが実施できません。
なぜ、デイサービスよりもデイケアの方が報酬、利用料金が高いのかという所以ではありますが、ケアマネさんもそこのところを押して頂く事は出来なかったようです。

対応者の中での対応

ちょうど隣り合わせのデイサービスの稼働率が相当低迷していて、人員配置にゆとりがある状況だったのをわかっていたので、ダメ元で1人、デイサービスからヘルプで入浴や排せつの支援に入って頂けるスタッフを依頼しました。と言っても、目的は実際に介護業務を手伝っていただく事がメインではなく、本人との関わりをデイサービスの職員さんにももっていただくことで、本人やご家族様とデイサービスの職員との関係性を構築していけば、徐々にデイサービスの方へ意識が向いてくれるのではないかと思ったからです。
これは、同一法人、同一建物だからできる苦肉の策ですが、一応制度的にみても通所リハの立場を考えると、リハビリ終了後の行き先の確保と連携は必要とされていましたので・・・。

今後同じ事例が起きた時の対処法

これはどちらかというと、運営上の話になるのかもしれません。
これは僕も含めて法人の管理者以上の人間であれば同じ意見だと思いますが、サービスはやはり年齢、状態や環境に応じて変化していくもので、その時その時のニーズを確認しながら進めていくものなのですが、だからと言ってニーズが全て正しいのかを確認することも必要です。
極端に言ってしまえば。

「おれ、人を殴りたい」

というニーズがあればあなたは

「サンドバックを上手に使うことができる」

というプランニングをしますか??
という話。

やはり
そのニーズが正しいかどうかの確認もしていくべきで、その背景には本人だけではなくご家族様、在宅環境や支援環境等の要因も含めて検討していくべきなのです。まぁそのための担当者会議なりカンファレンスなのですが。

そこでポイントになるのが、先ほど言った運営です。

極論を言えば、一つの事業所でサービス開始から最後まで完結できるシステムの構築が必要なのではないかと。

こればかりは、株式運営だと正直厳しいかと思います。なんといっても必要になってくるのは特養や老健等のいわゆる箱型の施設が母体となっていないと、最終的な住処の確保が出来なくなります。
そこに目を付けて流行り始めたのが有料やサ高住ですよね??

その指針自体は僕個人的には間違っていないと思うのですが、やはりその都度サービス変更を求められる利用者さんの立場で考えると、円滑に・・・というのはなかなか難しいかと思います。

ですので、その事業所内での横のつながりをいかに構築できるかというのが一つの課題になってくるようにも思います。

こちらの方には、どのように本人、ご家族にそのメリットを理解して頂く事が出来るのかというのが大きなポイントでした。

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