介護施設の事例

施設名: 訪問介護(ホームヘルプ)

訪問介護(ホームヘルプ)サービス提供責任者なし

対応者

対応者

対応者 サービス提供責任者

対応者 女性

お相手

対応者

寝たきり度 J2

認知症の状況

性別 男性

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トラブルが起きた背景

Sさんは脳梗塞で入院後、後遺症もなしと診断されて退院しましたが、入院生活で筋力の低下と手の震えが目立つようになったため、ご家族が家事援助の訪問介護を申し入れてきました。
Sさんは認知症もなく、入院前は一人で家事をこなしていたため、いざ担当者会議を開いて話し合ってみると、「そんなもの必要ない」と訪問介護を全否定。
しかしどう見ても歩行は不安定なためご家族は譲らず、その場で大喧嘩になりそうな雰囲気が出てきたため、ケアマネージャーがとにかく一回だけヘルパーが入るから、継続するかどうかはその後決めましょう…という妥協案でその場を収めてくれました。
とはいえ「必要ない」と言われてしまっては、一度きりでも入ることになるヘルパーが気の毒で、事業所としても誰を派遣するべきか悩んでしまいました。
考えた末に、まだ経験の浅い20代の女性ヘルパーを選出し、家の中ではなく外での買い物について行くことになりました。
ヘルパーが来たら追い出そうと椅子に座っていたSさんは、孫のような女の子が玄関に立って「一緒に出かけましょう」と明るく呼びかけると呆気にとられ、断り切れずに渋々用意をして外出。
帰ってきた時には見違えるほどご機嫌な様子で、「また来週も来てほしい」と180度意見が変わっていました。
聞けばご家族は矍鑠としたSさんをあくまで「お父さん」として扱い、お孫さんも成長してからはSさんを煙たがって遊びに来なかったため、若い子と一緒に外を歩くのはなかなか新鮮だったご様子。
週1回のケアが今では増回が続いて週3回になり、Sさんの一番楽しみな時間になっているそうです。

対応者の中での対応

どうせ行っても追い返されて終わるかも知れないなら、プライドの高いベテランではなく、経験値を上げる目的で若い子を派遣しよう…というのが正直なところでしたが、今回ばかりは結果オーライの作戦勝ちでした。
男性は女性に、高齢者は若者に弱いという図式はある意味普遍的なようです。

今後同じ事例が起きた時の対処法

人間同士がぶつかる介護では、どうしてもお互いの相性が重要になってきますが、思いもよらぬ弱点というものがあることも事実です。
聞き取り調査や担当者会議では厳格なご老人というイメージしかなかったSさんが、今ではすっかり馴染みとなったヘルパーを前にすると「○○ちゃん、よく来たね」と笑顔になってしまうため、ケアマネージャーもご家族も度肝を抜かれていました。
難しそうな利用者に合うヘルパーが見つからず悩んだ時は、思い切った人選を試してみると予想外の結果が得られるかもしれません。

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